県下全域でカメムシ類確認 斑点米の多発に注意 長野県2021年8月4日
長野県病害虫防除所は7月30日、県下全域で斑点米の原因となるカメムシ類の発生が多く、斑点米が多発する恐れがあるとして、病害虫発生予察注意報第3号を発表した。
アカヒゲホソミドリカスミカメの成虫(写真提供:長野県病害虫防除所)
6月下旬の畦畔のすくい取り(ネット20回振)調査で、斑点米カメムシ類の捕獲地点率が東信、北信で直近5年間の平均値に比べ高く、1地点当たりの平均捕獲頭数は東信、中信、北信で多かった。また、中信、北信では、県内の主要種であるアカヒゲホソミドリカスミカメに加え、アカスジカスミカメの捕獲頭数の増加がみられた。
7月上旬の本田のすくい取り(ネット20回振)調査では、斑点米カメムシ類の捕獲地点率が全域で平年に比べ高く、1地点当たりの捕獲頭数は東信、南信、中信で平年に比べて多かった。県下6カ所に設置した予察灯のうち、2地点(上田市、飯田市)では、7月16日の梅雨明け以降、アカヒゲホソミドリカスミカメの誘殺頭数が平年に比べて多くみられた。
気象庁が7月29日に発表した向こう1カ月予報では、平年同様に晴れの日が多く、気温は平年に比べて高いと予想。今後、斑点米カメムシ類の活動が活発になることが推測されることから、防除対策の徹底を呼びかけている。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
○ 畦畔や周辺の雑草は、斑点米カメムシ類の発生源となるため除草を徹底する。ただし、出穂直前の除草は、カメムシ類を水田内に追い込む可能性があるため、出穂2週間前までに除草を行う。
○斑点米カメムシ類は、主に出穂以降に水田内に侵入する。そのため、一般に出穂の早い品種(早生種および酒米など)で発生が多く、被害を受けやすくなる。
○防除薬剤は「令和3年長野県農作物病害虫・雑草防除基準」に基づき選定する。散布に際しては、養蜂が行われている地域で殺虫剤を散布する場合は、養蜂業者への情報提供を行う。
○本田防除で粉剤や乳剤を使用する場合は、出穂10日後に実施する。発生の多い地域では、さらに7~10日後(出穂17~20日後)に追加防除を行う。
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