県内各地のリンゴ園地でハダニ類が増加 岩手県2021年8月16日
岩手県病害虫防除所は、県下全域のリンゴ園地でハダニ類の多発を確認し、8月6日に病害虫発生予察注意報第7号を発表した。
ナミハダニ(写真提供:岩手県病害虫防除所)
8月前半の巡回調査では、目通りでの発生園地率がナミハダニが58.1%(平年49.0%)、リンゴハダニは35.5%(同22.6%)といずれも平年を上回った。
発生程度中以上の園地率は、7月後半まで概ね平年並で推移していたが、8月前半の調査でナミハダニが38.7%(平年19.4%)、リンゴハダニは16.1%(同9.0%)となり増加傾向がみられた。
ハダニ類の時期別発生園地率の推移(目通り、左:ナミハダニ、右:リンゴハダニ)
ハダニ類の要防除水準は寄生葉率30%とされる。わい性樹では主幹近くの新梢葉、普通樹では主幹・主枝の徒長枝の下位葉を良く観察する。目通りでの発生が少なくても、樹上部で多発している場合があるため、樹上部の徒長枝葉も観察し、要防除水準に達した場合は直ちに防除を行うよう促している。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
○夏期はハダニ類の増殖が速く、防除が遅れるおそれがあるため、防除適期を逃がさないよう注意する。
○薬剤が樹上部までかかるよう十分量を丁寧に散布する。不要な徒長枝は散布ムラの原因となるため、早めに剪除し薬剤のかかりやすい樹形を維持する。
○薬剤抵抗性ハダニの発現回避で、同一系統の薬剤は1シーズン1回の使用に限る。また、複数年を単位とした薬剤のローテーションを遵守する。
○殺ダニ剤のダニオーテフロアブルは、銅剤との混用で効果の低下が懸念されるため混用しない。
○近接散布による効果の低下を避けるため、ダニオーテフロアブルの散布から10日以上は銅剤を散布せず、銅剤散布後は1カ月以上ダニオーテフロアブルを散布しない。
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