8月中旬以降の増殖に警戒 ハイマダラノメイガ多発で防除徹底を 兵庫県2021年8月17日
兵庫県病害虫防除所はキャベツやブロッコリーなどのアブラナ科野菜に、ハイマダラノメイガ(別名:ダイコンシンクイムシ)の多発生を確認。8月12日に病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
クレオメに寄生し、生長点の食害する幼虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
加西市の県立農林水産技術総合センターで実施しているハイマダラノメイガの誘致植物(クレオメ)による調査において、7月第1週以来、クレオメの頂部の花が咲く分枝(花枝)への寄生率が平年に比べ高い水準で推移した。
7月第4週(7月27日)の調査では、寄生率は47.0%で平年の14.0%を大きく上回り、多発年であった昨年の52.0%とほぼ同等となり、その後も平年に比べ高い状態が続いている。
向こう1カ月の近畿地方の気象予報(8月5日発表)では、気温は平年より高く推移すると予想されており、この種の増殖に好適な条件が続くとしている。同防除所では、ダイコン等の直播栽培を含む野菜類の育苗や本圃への定植が始まることから、対象作物での被害拡大に注意を促している。
この種はアブラナ科野菜を特異的に加害する。成虫は体長約10mmで、生長点付近に1卵ずつ産卵する。幼虫は作物の育苗期~本圃栽培初期に生長点付近で食入し、葉を綴り合わせて食害する。生育初期に食害されると成長が止まり、キャベツ等の結球野菜では、食害を受けた株は結球しなくなり商品価値を失うため、1頭でも株に存在すると減収につながる。
防除対策は次のとおり。
○加害を確認してからの対策では手遅れとなる。そのため、発生盛期の8月中旬~9月下旬頃に育苗や播種・定植をする場合は、この種による加害が起こることを前提とした予防的防除に努める。
○寒冷紗や防虫ネット、不織布による被覆は成虫の飛来・産卵防止に効果がある。防虫ネットの目合いは、2×4mm以下で十分な防除効果が得られる。被覆資材の利用では、内部が高温になりすぎないように注意する。
○成虫は夜間に活動(産卵)するため、黄色灯の利用も飛来・産卵防止効果が期待できる。
○播種・定植時や育苗期に、粒剤や潅注で薬剤処理をした場合は、その後の降雨などの条件によって十分な効果が得られないこともある。本圃での発生状況に注意し、必要に応じて薬剤散布を実施する。
なお、薬剤散布を行う場合は、病害虫・雑草防除指導指針(兵庫県農薬情報システム)等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を遵守する。
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