ウメ輪紋病を初確認 アブラムシ類の防除徹底を 千葉県2021年8月23日
千葉県農林総合研究センターは8月20日、県内で初めてウメ輪紋病を確認したことを受け、特殊報第2号を発令した。
罹病したウメの樹木(写真提供:千葉県農林総合研究センター)
8月上旬に県中央部・山武地域の一般家庭で植栽している観賞用のウメに、ウメ輪紋病の感染が疑われるとの情報が同研究センターに寄せられた。この葉を採取し、農水省横浜植物防疫所に同定を依頼した結果、ウメ輪紋病と判明した。
この病は、国内では平成21(2009)年に東京都青梅市のウメで初めて発生が確認され、その後、神奈川、茨城、滋賀、埼玉、大阪府、奈良、兵庫、和歌山、三重、愛知、岐阜県で確認されている。
この病の典型的な病徴として、ウメでは葉に薄い緑色の部分ができる退緑斑紋や薄い緑色のドーナツ状の模様ができる輪紋などの症状がみられる。このほか花弁では、薄赤色の斑入り症状、果実表面にややくぼんだ輪紋が生じることがある。なお、品種や栽培条件によって症状の態様や程度が異なる。
宿主植物は、主にウメやアンズ、スモモといったPrunus属の果樹、セイヨウマユミ、ナガバクコ、ヨウシュイボタなど。このウイルスは、アブラムシ類によって媒介され、ウイルスを獲得したアブラムシ類が、健全な植物を吸汁することで伝搬する。
アブラムシ類が獲得したウイルスは、短時間のうちに活性が失われるため、媒介は非永続性である。しかし、人が感染した苗や穂木を移動することで感染地域が拡大していく。
また、種子伝染、花粉伝染および生果実からの自然感染は確認されておらず、接触伝染、ハサミなどによる伝染も報告されていない。なお、このウイルスは植物のみ感染し、人へは感染しないため、果実を食べても健康に影響はない。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
○感染した樹は治療法が無いため、伐採し根を除去することが望ましい。
○未発生の園地などの予防対策では、このウイルスを媒介するアブラムシ類の防除や発生源となりうる周辺の雑草防除を行う。
○通常のアブラムシ防除を行うことで、ウメ、モモなど果実に経済的被害を及ぼす可能性は低いという傾向が示されている。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】農水省(4月1日付)2025年3月31日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類西表島、小浜島で多発のおそれ 沖縄県2025年3月31日
-
【注意報】かんきつ、びわ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2025年3月31日
-
農業は恰好いいと示したい トラクターデモに立った農家の声 「令和の百姓一揆」2025年3月31日
-
4月の野菜生育状況と価格見通し 果菜類、ほうれんそう、レタスなどは平年並みへ 農水省2025年3月31日
-
25年産米「概算金のベース」 あきたこまち60キロ2万4000円 全農あきたが情報共有2025年3月31日
-
「農山漁村」インパクト可視化ガイダンスなど公表 農水省2025年3月31日
-
北アルプスの水と大地が育む米「風さやか」使用 ツルツル食感の米粉麺はスープも含めグルテンフリー JA大北2025年3月31日
-
特産の小松菜をバームクーヘンに 試食した市長も太鼓判 JAちば東葛2025年3月31日
-
三鷹キウイワイン 市内のキウイ使った特産品 JA東京むさし2025年3月31日
-
地域の営農継続へ JA全国相続相談・資産支援協議会を設置 JA全中2025年3月31日
-
中央支所担い手・若手農業者研修会を開く JA鶴岡2025年3月31日
-
全国の農家へ感謝と応援 CM「Voice」フルバージョン配信開始 JA全農2025年3月31日
-
セメント工場排ガスから分離・回収した二酸化炭素の施設園芸用途 利用へ取組開始 JA全農2025年3月31日
-
カナダで開催の世界男子カーリング選手権 日本代表チームの食事をサポート JA全農2025年3月31日
-
JA鶴岡「もんとあ~る」dポイント加盟店に 4月1日からサービス開始2025年3月31日
-
JA全中「健康経営優良法人2025」に認定2025年3月31日
-
「佐賀牛 生誕40周年記念キャンペーン」開催中 数量限定40%OFF JAタウン2025年3月31日
-
【今川直人・農協の核心】農産物需給見通しが示す農協の方向(3)2025年3月31日
-
農業機械安全性検査 新制度で再スタート 事故低減へ検査基準を強化 農研機構2025年3月31日