2兆6800億円 前年度比16%増を要求-2022年度農水省概算要求2021年8月25日
農林水産省は8月24日、自民党の農林関係合同会議に2022(令和4)年度農林水産予算概算要求案を示し了承された。総額は2兆6842億円で前年度予算より16.4%増額の要求をする。
24日の自民党農林関係の合同会議
水田で麦、大豆、飼料用米などの本作化に対する水田活用の直接支払い交付金は、輸出米など新市場開拓に向けた低コスト生産の取り組みなどを支援する水田リノベーション事業も含め、今年度当初予算3050億円を上回る3320億円を要求する。
米の需給環境をふまえて産地が必要とした場合、米を調整保管し長期販売する米穀周年供給・需要拡大支援事業は今年度当初予算と同額の50億円を要求する。
需要が高まっている甘藷や加工用ばれいしょの病害抑制と生産拡大の両立に向けた取り組み、省力作業機械の導入などを支援する「持続的畑作生産体系確立事業」は新規事業として21億円を要求する。
畜産・酪農対策では環境負荷軽減の推進策として新規に高品質堆肥生産流通促進支援事業(1億円)、飼料輸送の効率化、標準化などの実証の取り組みを支援する飼料流通合理化事業(2億円)を盛り込む。また、国産飼料の生産拡大など環境負荷軽減型持続的生産支援事業も今年度当初予算60億円より増額し73億円を要求する。
みどりの食料システム戦略の実現に向けた予算では、脱炭素・環境対応の基盤技術の開発、データに基づく土づくりなどの環境整備などで技術開発・実証事業を新規に実施し65億円を要求する。
また、地域の特色ある農林水産業や資源を活かした持続的な食料システムの構築に取り組むモデル的な先進地区の創出や、有機農業の団地化や学校給食での利用、販路拡大などに対してみどりの食料システム戦略推進交付金も新設する。
スマート農業の総合推進対策は今年度予算14億円を大幅に増額した32億円を要求する。スマート農業の産地モデル実証や畜産に対応した技術開発、社会実装の加速化を推進する。
また、スマホやタブレット、パソコンで補助金の申請ができて生産者の手続きを効率化する農林水産省共通申請サービス(eMAFF)など行政手続きの抜本的効率化に今年度39億円から増額して73億円を要求する。
人・農地プラン関係でも新規予算を要求する。地域の将来の農地利用ビジョンなど人・農地プランの着実な策定に向けて11億円、地域の多様な経営体が持続的に農業を行うための農機導入などを支援する持続的経営体支援交付金に120億円を要求する。
また、集落営農の活性化に向けたビジョンづくりや、人材の確保、新たな作物導入を支援する集落営農活性化プロジェクト促進事業も新規事業として30億円を要求する。
新規就農者の育成と確保のため、経営開始時の投資を基本とする経営開始資金、雇用就農促進のための交付金など、今年度予算205億円より増額した236億円を要求する。また、労働力不足を解消する代替人材の雇用や産地間の調整などによる労働力確保を支援する予算として新規に25億円要求する。
農村活性化に向けて、農山漁村発イノベーションの推進や、農村地域づくり事業体(農村RMO)の形成推進などを農山漁村振興交付金102億円を要求して支援する。
農林水産省は8月末に概算要求を財務省に提出する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】かんきつ、びわ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2025年3月31日
-
4月の野菜生育状況と価格見通し 果菜類、ほうれんそう、レタスなどは平年並みへ 農水省2025年3月31日
-
全国の農家へ感謝と応援 CM「Voice」フルバージョン配信開始 JA全農2025年3月31日
-
セメント工場排ガスから分離・回収した二酸化炭素の施設園芸用途 利用へ取組開始 JA全農2025年3月31日
-
カナダで開催の世界男子カーリング選手権 日本代表チームの食事をサポート JA全農2025年3月31日
-
JA鶴岡「もんとあ~る」dポイント加盟店に 4月1日からサービス開始2025年3月31日
-
JA全中「健康経営優良法人2025」に認定2025年3月31日
-
「佐賀牛 生誕40周年記念キャンペーン」開催中 数量限定40%OFF JAタウン2025年3月31日
-
鳥インフル 英ダラム州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年3月31日
-
「食料・農業・農村基本計画」へ生協6グループが提言 安心して生産できる環境整備を2025年3月31日
-
「核燃料サイクルを考えるシンポジウム」開催 生活クラブ2025年3月31日
-
地域団体と連携し県立高校でフードパントリー実施 パルシステム茨城 栃木2025年3月31日
-
シンとんぼ(135)-改正食料・農業・農村基本法(21)-2025年3月29日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(52)【防除学習帖】第291回2025年3月29日
-
農薬の正しい使い方(25)【今さら聞けない営農情報】第291回2025年3月29日
-
【現地レポート】「共同利用施設」が支える地域農業とこの国の食料 JA秋田おばこ六郷CE(2)2025年3月28日
-
農協の組合員数1021万人 前年度比0.6%減 2023事業年度 農水省2025年3月28日
-
農業構造転換 別枠予算の確保を 自民党が決議2025年3月28日
-
(428)「春先は引越しの時期」?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月28日
-
大関と共同開発「ニッポンエール レモンにごり酒300ml瓶詰」新発売 JA全農2025年3月28日