【国連食料システムサミット】より良い世界 実現の力はフードシステム-グテーレス国連事務総長 菅総理もメッセージ2021年9月24日
第1回国連食料システムサミットが9月23日、バーチャル形式で始まった。主催者のアントニオ・グレーテス国連事務総長が「より良い世界のビジョンを実現する力はフードシステムにある」と強調するととともに、各国政府に2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)達成のために約束を果たすよう呼びかけた。
国連食料システムサミットは2030年までのSDGs達成に向けた「行動の10年」の一環として、食料システムを改革する行動を議論し、関係者の連携や協力を促進することを目的にグレーテス国連事務総長が主導して、昨年から加盟国や国際機関などが議論してきた。
当初はニューヨークで開催予定だったが、世界的なコロナ禍でバーチャル形式で開催されることになったが、130か国以上から首脳級・閣僚級も多く出席し、現地時間の23日午前9時(日本時間:午後10時)から関係者のビデオメッセージが順次発表された。
グレーテス事務総長は新型コロナウイルス感染症の世界的拡大によって、飢餓人口8億1100万人が1年で20%増加し、新たに4100万人以上が危機に瀕していると指摘した。
その一方、「パンデミックは私たちを物理的に引き離したが、このサミットの準備は私たちを1つにしてくれた」と述べ、この1年半で各国政府が生産者団体や市民、企業などをフードシステムについての議論には148か国、10万人以上に人々が参加したと話した。
また、食料システムの中心にいる人々の関与を呼びかけ「家族経営の農家、牧畜業者、労働者、先住民、女性、若者」に対して「SDGsの達成に向けてお互いに学び合い、互いに刺激を受け合いましょう」と呼びかけた。
菅総理はビデオメッセージのなかで、世界のより良い食料システムの構築に向けて3点を重視することを表明した。
1つ目は「生産性の向上と持続可能性の両立」。イノベーションやデジタル化の推進と科学技術の活用が鍵となり、5月策定のみどり戦略を通じて脱炭素化など環境負荷の少ない持続可能な食料システムの構築を進めていくと話した。
2つ目は「自由で校正な貿易の維持・強化」を挙げた。輸出規制は必要最小限に抑制させるべきで科学的な根拠に基づくべきだとした。また、食料分野で自由で校正な貿易の旗振り役を引き続き務めると表明した。
3つ目は「各国・地域の気候風土、食文化を踏まえたアプローチ」。食料生産から流通の持続的なあり方については万能の解決策はないとの日本の立場を主張するもので、「その土地の方々との対話を大切にして地域に合った取り組みを進めていく」と強調した。
グテーレス事務総長が同日に公表した行動宣言でも「すべての人にあてはまる方策はない」ことに合意したと記されている。
今回のサミットでは今後の活動の枠組みも示された。飢餓ゼロ、学校給食、健康的な食生活、食品ロス、水産食品、アグロエコロジー、ディーセントワーク、気候変動の8つ。取り組み方や日本としてどの分野にどう関わるかは今後検討することになる。
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