畜産物価格 前年度価格を据え置き-農水省2021年12月27日
農林水産省は12月24日、食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、令和4年度畜産物価格について諮問し、答申をふまえて同日決定した。令和3年度の価格等を据え置いた。
加工原料乳(脱脂粉乳・バター向け、チーズ向け、液状乳製品向け生乳)の再生産を確保するための生産者補給金の総対象数量は345万tとした。生産者補給金単価は1kg当たり8.26円。集送乳調整金は1kg当たり2.59円とした。
肉用子牛の再生産を確保するための保証基準価格と、輸入牛肉に対抗できる肉用牛生産を確立するための合理化目標価格はすべての畜種で前年度価格を据え置いた。
また、鶏卵の補填基準価格と安定基準価格も据え置いた。6年間の平均価格と生産コストから算定される。
そのほか酪農生産基盤強化のための総合対策や、肉用牛経営安定対策の補完事業など関連対策も決めた。
このうち酪農対策では、今年度の暑熱によって飼料が不作となり、代替飼料の購入を余儀なくされたが、代替飼料の共同購入1kg当たり5円を支援する。今年度中に実施する。
酪農ヘルパーの待遇改善のため、これまで12か月間、最大3万円だったものを最長24か月に延長し月1.5万円を追加する。
肉用牛対策では優良な繁殖雌牛の導入(1頭当たり4万円、高性能牛は同5万円)の支援を延長する。
また、鳥インフルエンザなど家畜伝染病発生で単価の下落だけでなく、売り上げの減少も対象として、これら深刻な影響を受けた経営に対して、低利資金の円滑な融通など資金対策を拡充する。
家畜伝染病発生に備えた互助基金への支援として、基金加入農家に対する衛生指導を支援する。
そのほか緊急対策として令和2年度から4年度の対策として500億円を措置して、和牛肉の販売促進支援を行う。
需要減少で在庫が積みあがっている脱脂粉乳については、生産者団体と乳業メーカーによる飼料用仕向けへの取り組みに対して、国も支援する。対象は2.5万t。そのほか中食やECサイトへの販売も支援する。予算額は37億円。
高騰する配合飼料価格に対して、令和3年度補正予算で配合飼料価格高騰緊急対策を実施するが、この対策に民間の拠出の積み立てが実施されるまでの間、つなぎとなる拠出金を最大で150億円準備する対策も措置された。
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