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農業支援サービス利用 52.9% 農水省調査2022年1月13日

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農林水産省は、農業支援サービスの利用実態と農業者の意向調査をまとめ昨年末に発表している。JAなどの農業団体や民間サービス提供会社の農業支援サービスを利用していると回答した農業者は52.9%だった。

外部の組織などが提供しているサービスの利用状況

農業支援サービスとは、ドローン散布などの作業受託や、作物の生育状況分析、農業機械のシェアリング、人材派遣などのこと。農産物の流通・販売にかかわる代理販売や共同出荷などは含まない。
調査は、認定農業者がいる個人経営体の世帯主や組織経営体の代表者である農業者2万人を対象に実施し1万2000人あまりから回答を得た。

農業支援サービスを「利用している」との回答は52.9%、「利用していない」は46.7%だった。

「利用している」との回答は、営農類型別では酪農がもっとも高く82.1%、次いで肉用牛が69.8%だった。これはサービスに酪農ヘルパーや人工授精、JAが運営するTMRセンターも含まれるためとみられる。また、地域別では北海道が64.5%ともっとも高い。

利用しているサービス提供機関でもっとも多かったのが「JAなど農業団体」で68.5%、次いで「農業法人や個人農業者」が36.0%、「民間サービス提供会社」が23.6%だった。

有償で利用しているサービスでは「営農指導(定植や施肥管理など営農行為に関する指導)」が41.6%ともっとも高い。次いで「農薬散布や追肥等の管理業務代行」39.6%、「収穫作業や選別等の営農行為代行」37.1%だった。

「生育分析(作物の生育状況や家畜の生態情報の管理など)」は20.3%、「大型農機やスマート農機等の農業機械のレンタル、シェアリング」は8.1%にとどまっている。

サービスを利用していない農業者で、今後、サービスを利用する意向について「意向がある」は26.7%、「意向はない」は72.1%だった。

サービスを利用する意向があるのに、現在は利用していない理由としてもっとも多かったのは「今までは必要性を感じなかったから」で38.3%、次いで「どのようにサービスを見つけたらよいか分からなかったから」が25.5%だった。

現在利用しているサービスも含めて今後利用したいサービスを聞いたところ、「営農指導」が43.1%ともっとも高く、「繁忙期のみなど臨時的な人材派遣サービス」32.2%、「農薬散布や追肥等の管理業務代行」31.4%だった。

調査では農業者が営農に関わるデータの活用状況についても聞いた。その結果、データの入手にスマホやパソコンを「活用している」の割合は72.3%、「活用していない」は21.9%だった。

一方、営農管理の方法については「営農日誌等、ノートに記録」が58.2%ともっとも高く、「エクセルやワード等を用いて自らの様式で管理」が14.1%、「農協などが一括して管理」が9.1%だった。

今回の調査で作業記録や育成状況、作業予定などをデータで管理する営農管理ソフト(全農のZ-GIS、クボタのKSASなど)を利用者は2.9%だった。「今後、活用する意向がある」との回答は35.3%にとどまり、「意向はない」が62.3%だった。

意向がない理由は「現在の方法で十分で必要がない」が52.8%ともっとも高く、「使い方が難しそうだから」22.6%、「自分の営農管理にどのように利用すればいいのか分からない」が12.7%と続く。

食料・農業・農村基本計画では、農業の現場での情報通信技術の活用を進めるとしており、令和7年までに農業の担い手のほぼすべてが「データを活用した農業を実践することをめざす」と明記している。

今回の調査結果からは現場でのデータ活用はまだ進んでいないことがうかがえる。

農水省は令和4年度予算に農業支援サービス事業育成対策事業を措置している。サービス事業体の新規参入、既存事業者の新たなサービス事業の育成するための、現場でのニーズ調査、研修など人材育成などを支援する。

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