みどり戦略法案 骨子を了承-自民部会2022年2月4日
農林水産省は2月3日、自民党の総合農林政策調査会・農林部会合同会議にみどりの食料システム法案の骨子を説明し、合同会議はこれを了承した。農水省は具体的な法案づくりを進める。
自民党の総合農林政策調査会
みどりの食料システム法案は、環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念を定めるほか、環境への負荷低減を図る農業生産、加工などの事業活動について認定制度を創設することを定める。
基本理念では、環境と調和のとれた食料システムは、農林漁業者、事業者、消費者など関係者の理解と連携のもとで確立できるものであることをうたう。
また、環境への負荷低減と生産性の向上の両立に資する技術開発の推進と、農林水産物の円滑な流通の確保も基本理念に規定する。
そのうえで国と地方公共団体には必要な施策を策定、実施する責務を規定。また、農業者や食品事業者は事業活動を通じて環境への負荷低減を努力することを規定する。また、消費者も農林水産物の選択を通じて、環境負荷低減に努力することも規定する。
国が講じるべき施策は、関係者の理解促進、技術開発・普及の促進、環境負荷低減に資する生産活動の促進、環境負荷低減の取り組みの「見える化」と規定する。
また、環境負荷低減への事業活動(土づくり、化学農薬・化学肥料の使用低減や温室効果ガス排出量の削減)について基本的な方針を農林水産大臣が定める。
一方、市町村と都道府県は共同して、国の基本方針に基づいた環境負荷低減事業活動に関する基本計画を作成し、農林水産大臣から同意を得たうえで、県内で環境負荷低減に取り組む生産者やモデル地区が作成する計画を認定する。
認定を受けると、農業改良資金の償還期間の延長(10年→12年)や、モデル地区には農地転用許可や補助金等交付財産の目的外使用の承認などの行政手続きのワンストップ化の特例措置を講じる。
また、有機農業の生産団地を形成するため、特定地区内の全員の合意に基づき、栽培管理についての協定を締結し、市町村長の認定を受けることができる制度も規定する。認定を受けた協定は、その許可の後に区域内農地の所有者になった者にも効力がある特例措置も講じる。
環境負荷軽減のために生産者だけでは解決できない技術開発や市場拡大などに取り組む、機械・資材メーカーや、サービス事業体、食品事業者などが立てた計画を農林水産大臣が認定する制度の創設する。
認定を受けた事業者には必要な設備などへの資金繰り支援や、病害虫抵抗性に優れた品種開発の促進のため、新品種の出願料の減免などで支援する。
みどりの食料システム法によって持続性の高い農業生産方式の促進に関する法律は同様の内容を含むため、同法は廃止する。
合同会合で江藤拓総合農林政策調査会長は「環境への配慮は大事だが、農家の所得を維持しながら環境を保全し国際貢献をするという難しい問題だ。しかし、これを法律に基づいてやるとなれば条文もしっかり考えなければならない。消費者に関する条文も入っている。流通関係者も含めてこれを実現していくということだ」と生産者だけでなく、業界、消費者についても理解を促進する必要性を強調した。
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