豚熱 農場周囲の消毒など対策重要 農水省2022年2月4日
2018年9月の発生以来、16県76事例が発生した豚熱。ワクチン接種県でも発生していることから養豚場での衛生対策は引き続き重要になっている。
豚熱は2018年9月9日の岐阜県での発生以来、愛知県、三重県、福井県、埼玉県、長野県、山梨県、沖縄県、群馬県、山形県、和歌山県、奈良県、栃木県、神奈川県、滋賀県、宮城県の計16県で76事例発生した。
これまでに28万1000頭が殺処分されている。
発生当初はワクチン接種により豚熱の清浄国のステータスが失われることや、ワクチン接種だけでまん延は防げないことなどから消極的でワクチン接種を決めたのは発生から1年後の2019年9月。同年の10月からワクチン接種を開始した。2020年9月にはOIE(国際獣疫事務局)が認定する清浄国ステータスを失った。
その後、ワクチン接種をした群馬県や山形県、宮城県などでも豚熱は発生した。
昨年12月には農水省の専門家による委員会が群馬県での発生をふまえて、養豚場での衛生対策のポイントを提言した。
それによると農場周囲の消毒も重要で、イノシシの餌場となりやすい場所や、雑木林など隠れる場所の伐採、整理整頓、柵外側の定期的な消毒でイノシシとウイルスを近づけないことが必要だとされた。
また、農場内へのウイルス侵入を想定した衛生管理区域の定期的な消毒も求めた。
離乳舎における衛生管理では▽長靴の履き替え、▽衣服の更衣、▽畜舎立ち入り時の手指消毒、▽畜舎に持ち込む資材の消毒、壁や天井の点検と修繕が必要だとしている。また、山林等に入ったときは、靴や衣服の土を山で落とし、帰宅後に直ちに洗浄することもポイントとなる。
経口ワクチンを各地の山林に散布しているが、岐阜県、愛知県など、中心部の県では野生イノシシの豚熱陽性率は低下している。
昨年7月から11月の野生イノシシサーベイランスでは、PCR陽性割合は長野県0.2%、岐阜県0.7%、愛知県0.2%となっている。
一方、宮城県26.6%、和歌山県30.4%と取り組み期間が短く、散布量が少ない東西の辺縁部の府県が陽性率が高いことが確認された。
今後は、散布量の偏りを是正し、発生ピークを経過した岐阜、愛知など中心部は再侵入の防止、まん延の最前線である周辺部の対策を重視して、九州への侵入を防止する方針だ。
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