世界の食料価格指数 2014-16年比で134 依然高水準 農水省2022年2月7日
農林水産省の食料安全保障月報1月号によると、FAO(国連食糧農業機関)が公表している食料価格指数(12月)は134で依然として高い水準で推移している。
FAOの食料価格指数は2014-16年平均を100とした指標で12月の植物油は178.5、穀物は140.5となった。植物油は185から下落し、砂糖は120から116へと下落したが、食料平均では133.7と依然として高い水準にある。
なたねの国際価格は昨年12月で対前年同月比で179.3%となっている。11月は前年比で2倍を超えた。パーム油も前年同月比139.7%と高騰している。
米国農務省の1月の需給予測によると、油糧種子全体の生産量は約6.2億t、消費量も約6.2億tだが、実際は生産量が消費量を下回り、期末在庫率は前年度を下回って17.2%となる見込みで価格の高騰は続きそうだ。
一方、穀物の動向では、小麦は12月末で1t280ドル台前半で推移したが、1月に入りアルゼンチン産小麦の豊作や、米国産小麦の作付け面積が市場予想を上回ったことなどで270ドル台まで下落した。しかし、その後、米国中西部の寒波の懸念や、ロシアとウクライナの緊張の高まりで値を上げ、1月下旬現在、1t290ドル前後で推移している。
トウモロコシは、1月に入り原油価格の上昇、ラニーニャ現象による南米の高温・乾燥懸念から小幅に上昇し、1月下旬現在、1t240ドル前後で推移している。
米は12月下旬、1t410ドル台で推移。1月に入りアフリカ諸国から新規需要や、貿易業者による輸出成約済みの数量確保のための買いが進み、さらにタイのバーツ高が価格を下支えしてことで、430ドル台半ばまで上昇した。1月中旬現在、440ドル台前半で推移している。
大豆は12月末は1t480ドル台後半で推移していたが、南米の高温乾燥懸念から1月に510ドル台半ばまで値を上げた。乾燥懸念のため、1月下旬で520ドル台前半まで上昇している。
ラニーニャ現象による南米の乾燥が2月以降も継続するかは不透明だという。南米の生産量が減少する見通しとなれば、米国農家の大豆とトウモロコシの作付け意欲が刺激されるとの見方もある。ただし、肥料価格が高騰していることから、肥料の投入量が少ない大豆が増えるとの見方もある。しかし、昨年、中国の大豆輸入量が減少したことが、どう米国の作付けに影響するかを注視する必要もあると農水省は指摘する。
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