化学農薬使用量の低減 地域の取り組み支援 農水省2022年2月15日
農林水産省は2022(令和4)年度予算のみどりの食料システム戦略交付金のなかで、土壌くん蒸剤の低減や、化学農薬を代替する防除技術の導入などによって化学農薬の使用量を低減したり、化学肥料の使用量低減に取り組みなど、グリーンな栽培体系への転換を支援する。
2022(令和4)年度予算のなかで、みどりの食料システム戦略推進総合対策として8億3700万円を措置。このうち、みどりの食料システム戦略推進交付金として5億9100万円を盛り込み、産地に適した環境にやさしい栽培技術の検証を通じたグリーンな栽培体系への転換や、スマート農業技術による持続性の高い生産基盤の構築、地域資源を活用した地域循環型エネルギーの構築などに取り組む地区を支援する。
このうちグリーンな栽培体系への転換サポート事業は、産地内の農業者やJA、農薬・肥料・農機メーカー、実需者などが参画する協議会を組織し、環境にやさしい栽培技術や省力化技術の検証と、栽培マニュアルの検討、5年後の産地戦略(ロードマップ)の策定への取り組みを支援する。
取り組みのイメージは、産地で構成した協議会で環境負荷軽減の取り組み方針や、取り入れる技術内容を検討、実際に技術を検証し、その結果をふまえて栽培マニュアルや産地戦略(ロードマップ)を策定するというもの。この事業の実施期間を3年以内とし、その後、ロードマップに基づくグリーンな栽培体系の普及と定着に取り組む。
こうした取り組みのための会議や先進地視察、通信運搬費などにかかる経費を定額で支援する。環境負荷低減の取り組みの1つに対して300万円が上限(複数の場合は360万円)、有機農業を検討する場合は360万円とする方針。
栽培技術で検証する技術は、環境への配慮と省力化技術の組み合わせ。農水省がイメージとして挙げているのが▽農薬を成分数の少ないものに替えてドローンで散布、▽ポリマルチから生分解性マルチへの切り替え、▽化学肥料の代わりにたい肥を活用。ほ場周辺の除草作業はリモコン式草刈り機を使用、▽水稲作で抵抗性品種を導入し農薬使用量を低減。水管理システムを取り入れてほ場巡回の労力を低減、などだ。
化学農薬使用量低減の支援では、土壌診断経費や緑肥作物の導入経費、防虫ネットや天敵農薬、低リスク農薬、飛散防止ノズルなどの資材費などの取り組みを農水省は事例として示しているが、消費・安全局植物防疫課では「地域によってはさらに農薬使用低減に向けた取り組みもあるはず。限定したものではない」としてさまざまな使用量低減への取り組みを支援したいとする。
また、協議会では有機農業への取り組みのために、産地の土壌特性に応じた土づくり技術の検討や、化学農薬を使用しない病害虫管理や雑草管理技術を検討することも課題となる。
こうした事業の実施主体としての協議会は、都道府県とJA、農業者の参加を必須としている。
重要な記事
最新の記事
-
埼玉県内で鳥インフルエンザ 国内11例目2024年11月25日
-
【JA部門】全農会長賞 JA山口県 「JAならでは」の提案活動で担い手満足度向上 TAC・出向く活動パワーアップ大会20242024年11月25日
-
5年ぶりの収穫祭 家族連れでにぎわう 日本農業実践学園2024年11月25日
-
鳥インフル 米イリノイ州、ハワイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月25日
-
「JA集出荷システム」と生産者向け栽培管理アプリ 「AGRIHUB」をシステムで連携 農業デジタルプラットフォームの構築目指す JA全農2024年11月25日
-
卓球世界ユース選手権 日本代表を「ニッポンの食」でサポート JA全農2024年11月25日
-
佐賀県産「和牛とお米のフェア」みのる食堂三越銀座店で開催 JA全農2024年11月25日
-
JA全農×農林中金「酪農・和牛の魅力発信にっぽん応援マルシェ」新宿ルミネで開催2024年11月25日
-
EXILE NESMITH監修 くまもと黒毛和牛『和王』の特別メニュー提供 JA全農2024年11月25日
-
「第1回全国冷凍野菜アワード」最高金賞のJAめむろなど表彰2024年11月25日
-
「熊本県産和牛とお米のフェア」大阪の直営3店舗で12月1日から開催 JA全農2024年11月25日
-
都市農業・農地の現状と課題 練馬の野菜農家を学生が現地調査 成蹊大学2024年11月25日
-
食育イベント「つながる~Farm to Table~」に協賛 JQA2024年11月25日
-
薩州開拓農協と協業 畜産ICT活用で経営の可視化・営農指導の高度化へ デザミス2024年11月25日
-
「ノウフクの日」制定記念イベント 東京・渋谷で開催 日本農福連携協会2024年11月25日
-
省スペースで「豆苗」再生栽培「突っ張り棒」とコラボ商品発売 村上農園2024年11月25日
-
在ベトナム農業資材販売会社へ出資 住商アグロインターナショナル2024年11月25日
-
楽粒の省力検証 水稲除草剤の散布時間の比較 最大83%の時間削減も 北興化学工業2024年11月25日
-
【人事異動】北興化学工業株式会社(12月1日付)2024年11月25日
-
幼稚園・保育園など996施設に「よみきかせ絵本」寄贈 コープみらい2024年11月25日