農水省が農地の荒廃防止へ 2022年度から支援対象に"植林"追加2022年2月24日
農水省は、担い手不足などによる農地の荒廃を防ぐため、地域ぐるみでコミュニティー維持に取り組む地区の土地利用支援の対象事業に、2022年度から植林も加えて農地の林地化を支援することを決めた。担い手不足などで農地を守ることが難しい地域もあることを踏まえた対応。林地化した場所は鳥獣被害を防ぐ緩衝帯機能も持たせて土地の有効利用につなげることにしている。
この事業は、農水省が2021年度から始めた「最適土地利用対策」の一つ。同省では、農地の活用に意欲のある地域を支援する事業を進め、条件の厳しい地区については、低コスト土地利用支援事業として、放牧や蜜源作物の作付けなどをメニューとして助成金を出してきた。21年度は北海道や大分県など全国5地区がこの制度を活用して地域特産物の作付けや放牧などに向けて準備を進めている。
同省は、さらに地域への支援を強化するため、22年度から、対象事業のメニューに「鳥獣緩衝帯機能を有する計画的な植林」を加え、農地の林地化も支援することを決めた。同省によると、農地の長期的利用のあり方を話し合う検討会の中で、人口減少などで農地保全が難しい地区も出てくることが考えられることから、鳥獣の被害対策の視点も含めて計画的植林を対象に加えることが決まったという。
事業の対象となるのは、土地活用の対象面積が10ヘクタール以上ある地域で、事業主体は市町村やJA、地域運営組織などとする。はじめに地区で協議会を設立して地域計画を作成して市町村に申請し、交付の決定後、放牧や植林などといった具体的な最適土地利用計画を策定する。植林などの場合、打ち合わせなどのソフト事業に10アール当たり5000円、土地整備のハード事業に10アール当たり3万6000円を上限に助成金が交付される。
農水省は、2026年度までに全国100カ所でこの事業を通してコミュニティーの維持強化の達成を目指している。同省地域振興課は「高齢化や担い手不足などで集落の維持に悩んでいるところは、ぜひこの事業を活用して持続的な土地利用対策について話し合ってほしい」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
(393)2100年の世界【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月19日
-
【'24新組合長に聞く】JA鹿児島きもつき(鹿児島) 中野正治組合長 「10年ビジョン」へ挑戦(5/30就任)2024年7月19日
-
冷蔵庫が故障で反省【消費者の目・花ちゃん】2024年7月19日
-
農業用ドローン「Nile-JZ」背の高いとうもろこしへの防除も可能に ナイルワークス2024年7月19日
-
全国道の駅グランプリ2024 1位は宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」が獲得 じゃらん2024年7月19日
-
泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
-
生産者と施工会社をつなぐプラットフォーム「MEGADERU」リリース タカミヤ2024年7月19日
-
水稲の葉が対象のDNA検査 期間限定特別価格で提供 ビジョンバイオ2024年7月19日
-
肩掛けせず押すだけで草刈り「キャリー式草刈機」販売開始 工進2024年7月19日
-
サラダクラブ三原工場 太陽光パネルの稼働を開始2024年7月19日
-
「産直アウル」旬の桃特集 生産者が丹精込めて育てた桃が勢揃い2024年7月19日
-
「国産ももフェア」直営飲食7店舗で25日から開催 JA全農2024年7月19日
-
「くまもと夏野菜フェア」熊本・博多の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年7月19日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(1)地域住民とともに資源循環 生ごみで発電、液肥化2024年7月18日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「財務省経済産業局農業課」て何?2024年7月18日
-
1970年代の農村社会の異質化の進展と農業【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第299回2024年7月18日