国連のIPCCが報告書 気候変動で農業への悪影響増大の恐れ2022年3月1日
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2月28日、気候変動の自然や社会への影響に関する報告書を8年ぶりにまとめ、公表した。地球温暖化による影響と予測されるリスクが高まり、農業関連では作物の生産について世界全体で悪影響が増大する恐れがあると指摘するなど、世界中で気候変動に対応する行動が求められていると警告している。
世界各国の科学者などでつくるIPCCの総会と第2作業部会の会合は2月14日から27日にかけて行われ、28日、報告書が公表された。
報告書では、地球温暖化について、2021年から2040年にかけて1.5度の上昇に達しつつあり、生態系や人間に複数のリスクをもたらす可能性が高いと指摘し、観測された影響と予測されるリスクについて、「自然と人間に対して広範囲にわたる悪影響と、それに関連して損失と損害を、自然の気候変動の範囲を超えて引き起こしている」と強く警告している。
そのうえで、生態系で観測された気候変動影響と人間システムで観測された気候変動影響について、各分野ごとに示した。農業関連では、作物の生産について世界全体で悪影響が増大する恐れがあると指摘し、特にアフリカなどで深刻化していると指摘している。また、動物・家畜の健康と生産性については、ヨーロッパをはじめアジアやアフリカで悪影響が出る恐れあることを指摘している、さらに、漁獲量と養殖の生産性については、世界全体で悪影響が増大する恐れがあるとしている。
こうした状況も踏まえて報告書では、「気候変動がすでに人間と自然のシステムを破壊していることは疑う余地がない」とし、「世界中で気候にレジリエント(強制な)な開発のための行動を取ることについて、以前(8年前)の評価に比べてさらに緊急性が高まっている」などと警告し、気候変動に対応する行動の必要性を強調している。
重要な記事
最新の記事
-
地域を守る闘いに誇り 元農林中金副理事長 上山 信一氏(1)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月1日
-
地域を守る闘いに誇り 元農林中金副理事長 上山 信一氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月1日
-
JA全農が新規採用職員入会式 石川佳純さんが激励 279人に辞令2025年4月1日
-
ベトナム産米、2万トンの日本向け輸出計画 国産米に近いジャポニカ米 きらぼし銀行支援2025年4月1日
-
政府備蓄米 第2回入札は100%落札 60kg2万722円2025年4月1日
-
米卸の在庫 集荷業者外からの仕入れ増える 2月末2025年4月1日
-
全国の総合JA数 496 4月1日現在2025年4月1日
-
【農業機械安全性検査新基準の解説】機械の側から危険な作業をなくす 農研機構に聞く(1)2025年4月1日
-
【農業機械安全性検査新基準の解説】機械の側から危険な作業をなくす 農研機構に聞く(2)2025年4月1日
-
7年産米概算金は先物市場の価格が参考に【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月1日
-
活力ある土づくり実践集団連絡協議会研修会を開催 JA全農山形2025年4月1日
-
山あいで育った「宇和茶」の甘みと香り 遠赤外線製法でじっくり乾燥 JAひがしうわ2025年4月1日
-
ササニシキのDNA継ぐ新たな神話 大崎耕土が生んだ「ささ結」 JA古川2025年4月1日
-
北総台地で育った「べにはるか」使った干し芋 サツマイモ本来の自然な甘み JA成田市2025年4月1日
-
和歌山の旬を産地直送で「ココ・カラ。和歌山マルシェ」オープン JAタウン2025年4月1日
-
JAみやざき「Tege Mahalo(テゲマハロ)」リニューアルオープン JAタウン2025年4月1日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年4月1日
-
【役員人事】農林中金アカデミー(4月1日付)2025年4月1日
-
埼玉県で開催予定の第75回全国植樹祭に木製品寄贈、木育授業も実施 農林中金2025年4月1日
-
300名にプレゼント「農作業スタートダッシュ応援キャンペーン」4/1から開催 デンカ2025年4月1日