食料安保検討「お金あれば食料買える時代ではなくなりつつある」 中家JA全中会長2022年3月11日
JA全中の中家徹会長は3月10日に開かれた自民党の食料安全保障に関する検討委員会の有識者ヒアリングに出席、コロナ禍に加えウクライナ危機で食料の安定供給リスクがまさに現実のものになりつつあるとして、国民を巻き込んで幅広い視点でわが国の食料安全保障を強化する必要があると強調した。
有識者ヒアリングに出席した中家JA全中会長
中家会長は日本の「食」を取り巻く5つのリスク(食料自給率の低迷、農業生産基盤の弱体化、多発する自然災害、世界的な人口増加、国際化の進展=輸入の増加)がじわじわ増加し、現行の基本法制定時に比べれば「リスクは相当増大している」と指摘した。
食料自給率(カロリーベース)は37%へと低下、基幹的農業従事者の平均年齢も67.8歳と上昇している。一方、直近では生産資材の高騰や輸入食料品の値上げ、コロナ禍による物流の混乱などで食料の安定供給リスクが現実になり、ウクライナ情勢の懸念から小麦のシカゴ相場は3月4日に史上最高値(1ブッシェル13.48ドル)となった。世界では人口が増加しており、中家会長は「お金があれば食料が買える時代は終わりつつあるのではないか」と指摘した。
しかし、リスクは少しづつ増大しているため国民は実感しにくいとして国民への情報発信と理解が必要になるとした。
輸入食品などは値上げが続いているが、国産農産物価格は米価下落など厳しい。生産資材の高騰による生産コストの増大分は生産者が負担している。
この点について消費者や事業者に理解を深めてもらい、再生産が可能となる価格形成ができなければ農業経営の持続性は確保できず、「食料の安定供給は確保できない」。
担い手不足は深刻だが、食料安全保障の強化のために家族農業や中小規模農業者など多様な農業者で持続的に農業が展開されていることが重要で、そうした農業の実態と課題が国民全体に共有されていることが重要などと述べた。
そのうえで、現行の施策の検討を行いつつ、食料安全保障の強化に向けた「施策の充実」と「継続的な推進を担保する法整備」が必要で全中としても5月に政策提案をまとめる考えを示した。
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