農業構造の変化を特集 令和3年度白書骨子2022年3月18日
農林水産省は3月15日の食料・農業・農村審議会に令和3年度「白書」の骨子を示した。今回は「変化する我が国の農業構造」を特集する。
わが国の基幹的農業従事者は2005年224万人から2020年には136万人へと88万人減少した。
65歳以上の階層が全体の70%(95万人)を占める。一方、49歳以下の若年層は11%(15万人)にとどまる。ただ、2015年時点の15歳~44歳層の12.4万人が5年後の2020年では14.7万人(20歳~49歳)と増加していることが示された。
若年層の基幹的農業従事者は稲作3万人、露地野菜2.8万人、施設野菜2.7万人、酪農8000人など、人数では稲作が多い。
しかし、割合でみると稲作5.5%、露地野菜14.8%、施設野菜20.7%、酪農31.0%となっており、施設野菜や酪農で若年層が多い。
若年層の例としてIターンで就農、定着した花き農業者を紹介している。Iターンで就農した先輩農家を里親として研修を受け就農した。新規就農者を育成する仕組みも示す。
農業経営体としてみると2020年に108万経営体でこのうち約96%が個人経営体だ。経営耕地面積の割合でみると、主業経営体と法人経営体が占める割合は2010年の56%が2020年には63%へと増加した。また、地目別では畑では81%を占め、地域別では北海道で90%を占める。
団体経営体のうち法人経営体が増加傾向にある。2010年の団体経営体は3万6000、このうち法人は2万2000だったが、2020年では全体が3万8000経営体となり、このうち法人は3万1000と増えた。
白書では集落営農の法人化も進んでいることを指摘している。
品目別でも法人経営体の占める割合が増えており、稲作では2010年の3万9000経営体が2020年には9万1000経営体へ大きく増加している。
法人化していないものも含め団体経営体は中山間地域や都市的地域も含め、どの地域でも増え、そのうち法人化が進展していることを白書は示す。
規模拡大についても分析している。1経営体当たりの経営耕地面積は2010年では2.2haだったが、2020年には3.1haと拡大している。この間に借入農地は0.6haから1.2haへと倍増している。担い手への農地集積が進んでいるとみられる。
全体でみるともっとも大きな割合を占める0.5ha~1ha層の経営体が大きく減少していることが示されている。ただ、地域差があり、1経営体当たりの平均耕地面積は中国、四国、近畿では1.1ha~1.4haにとどまっている。担い手の世代交代期にあるなかで、地域ごとの動向分析も必要になる。
白書では「食料供給のリスクを見据えた総合的な食料安全保障の確立」も取り上げる。FAOの食料価格指数を取り上げ、その急激な高騰などを示すが、ウクライナ危機をふまえた動向をどこまで盛り込み、どう課題を提示するか注目される。白書は5月の閣議決定をめざしている。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(1)養豚農家に寄り添い疾病を防ぐ クリニック北日本分室 菅沼彰大さん2025年9月16日
-
【石破首相退陣に思う】戦後80年の歴史認識 最後に示せ 社民党党首 福島みずほ参議院議員2025年9月16日
-
【今川直人・農協の核心】全中再興(6)2025年9月16日
-
国のプロパガンダで新米のスポット取引価格が反落?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年9月16日
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
ファミリーマートと共同開発「メイトー×ニッポンエール 大分産和梨」新発売 JA全農2025年9月16日
-
「JA共済アプリ」が国際的デザイン賞「Red Dot Design Award2025」受賞 国内の共済団体・保険会社として初 JA共済連2025年9月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」北海道訓子府町で じゃがいもの新品種「ゆめいころ」を収穫 JAタウン2025年9月16日
-
山形県産「シャインマスカット」品評会出品商品を数量限定で予約販売 JAタウン2025年9月16日
-
公式キャラ「トゥンクトゥンク」が大阪万博「ミャクミャク」と初コラボ商品 国際園芸博覧会協会2025年9月16日
-
世界初 土壌団粒単位の微生物シングルセルゲノム解析に成功 農研機構2025年9月16日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(適用地域追加)NOSAI全国連2025年9月16日
-
農薬出荷数量は1.3%増、農薬出荷金額は3.8%増 2025年農薬年度7月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年9月16日
-
林業の人手不足と腰痛課題解消へ 香川西部森林組合がアシストスーツを導入 イノフィス2025年9月16日
-
農業支援でネイチャーポジティブ サステナブルの成長領域を学ぶウェビナー開催2025年9月16日
-
生活協同組合ユーコープの宅配で無印良品の商品を供給開始 良品計画2025年9月16日
-
九州・沖縄の酪農の魅力を体感「らくのうマルシェ2025」博多で開催2025年9月16日
-
「アフガニスタン地震緊急支援募金」全店舗と宅配サービスで実施 コープデリ2025年9月16日
-
小学生がトラクタ遠隔操縦を体験 北大と共同でスマート農業体験イベント開催へ クボタ2025年9月16日
-
不在時のオートロックも玄関前まで配達「スマート置き配」開始 パルシステム千葉2025年9月16日