ながさき南部生産組合と渥美農高(愛知)が農林水産大臣賞 未来につながる持続可能農業2022年3月24日
農林水産省は3月24日、「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」の受賞者を発表した。
農水省は農業生産活動の持続性を確保するため、有機農業をはじめとする環境保全型農業の推進と、GAP(農業生産工程管理:食品安全から環境保全、労働安全、人権保護、農場経営管理など持続可能性を確保するための一連の取り組み)を推進している。
その一環として、持続可能な農業の確立を目指し、意欲的に経営や技術の改善等に取り組んでいる農業者を表彰している。
「有機農業・環境保全型農業部門」の農林水産大臣賞は、農事組合法人ながさき南部生産組合(長崎県南島原市)が選ばれた。
同組合は、1975年に5人で結成した有機農産物の産直グループ。現在は構成員143人、222haにまで規模拡大した。栽培品目はたまねぎ、トマト、ばれいしょなど。
若手農業者を育成する組織的な取り組みを行い、現在の構成員の平均年齢は57歳と経営が継承されている。
島原半島内の畜産農家から調達したたい肥を土壌診断に基づき使用して、有機物資源の地域循環を実現している。
ほ場ごとに有機農業、低農薬など栽培法を登録。商品ラベルを有機JAS、化学肥料・化学農薬不使用、化学農薬不使用、化学農薬半減の4つに区分。正確な情報をシンプルに伝達し消費者の信頼を確保している。
販売は直売所のほか、九州圏内の大手スーパーなど36店舗にインショップを開設している。
〈農産局長賞〉
○(株)神門(北海道紋別郡雄武町)
○かやもり農産 栢森一夫氏(秋田県南秋田郡大潟村)
○安芸の山里農園はなあふ(広島県東広島市)
また、「GAP部門」の農林水産大臣賞は愛知県立渥美農業高等学校(愛知県田原市)が選ばれた。
同校ではGAPを教育を毎年実施し、生徒への関心が浸透しており、田原市が国内最大のキクの産地であり、今後の輸出もふまえてGAP認証を取得した。
平成30年から2年生、3年生がGAPを学習し、認証ほ場で散水、施肥、農薬等のチェックリストをもとに生徒が役割分担をしてGAPを実施している。
過去の農作業記録簿の蓄積と毎年実施する土壌分析結果から、不足する肥料要素を重点的に施肥することで2019(令和元)年度から2021(令和3年)度の間で施肥量を23%低減できた。
また、IPMの考え方を導入し施設内に病害虫を入れない管理を行い、農薬使用量を16%低減させた。
卒業生による就職先でのGAP認証の取得や実践例も出てきており、同校を起点に地域にGAPが広がっていくことが期待されている。
〈農産局長賞〉
○(株)鷹本農産(熊本県玉名市)
○(株)ベジアーツ、(株)ベジアーツファーム(長野県北佐久郡御代田町)
○Fukui GAP Association(福井県福井市)
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