「はかた地どり」「川俣シャモ」など4産品がGI取得 農水省2022年4月1日
農林水産省は3月31日、「はかた地どり」(福岡県)、「川俣シャモ」(福島県)、「あけぼの大豆」(山梨県)、「ところピンクにんにく」(北海道)が、新たにGI(地理的表示)登録を取得したことを発表。合計で120品目となった。
左から、はかた地どり、川俣シャモ、あけぼの大豆、ところピンクにんにく
地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。
今回GI登録された産品は次の通り。
左から、はかた地どり、川俣シャモ
■第117号「はかた地どり」
生産者団体:福岡県はかた地どり推進協議会
生産地:福岡県
【特性】
うま味成分であるイノシン酸を多く含み、食味が良いうえ、身が締まっていて、程良い弾力と歯ごたえがある。
【地域との結び付き】
九州最大の筑紫平野など豊かな自然が広がり騒音が少なく、鶏の平飼いに適した生産農場を確保できる地域で生産。古くから養鶏の歴史がある土地柄であり、福岡市で生まれ福岡県を代表する郷土料理の「水炊き」や「がめ煮」に適した鶏肉として開発された。
■第118号「川俣シャモ」
生産者団体:川俣シャモ振興会
生産地:福島県伊達郡川俣町
【特性】
粗脂肪含量が多く、水分含量が低いことから、脂が乗って食味が良く、また、脂肪酸組成比ではオレイン酸の比率が高いため肉の風味が良い。
【地域との結び付き】
川俣町は、標高およそ200メートル以上の高地で、夏でも阿武隈山地から吹き降ろしの風が流れ、暑さを 苦手とする鶏の飼育には良好な地域。江戸時代には絹織物で財を成した機屋が娯楽として軍鶏を飼い、闘鶏を楽しんでいたため、軍鶏の飼育は町内に広く普及し、食用にも供されていた。
左から、あけぼの大豆、ところピンクにんにく
■第119号「あけぼの大豆」
生産者団体:身延町あけぼの大豆振興協議会
生産地:山梨県南巨摩郡身延町
【特性】
大粒で甘みが強い、100年以上栽培されてきた大豆。10粒で6寸になるため、「十六寸(とうろく すん)」と呼ばれていたほど大粒。糖類含有量が他品種に比べ2割多く、特に砂糖の主成分であるショ糖含有量は他品種に比べ4割多く含み、甘味が強い。希少性や品質の高さにより、地元JAの買取価格は普通大豆の全国入札取引平均価格より約2~4倍ほど高値で取引される。
【地域との結び付き】
えだまめの成熟期に当たる10月から大豆を収穫する12月頃までの10度以上の昼夜の寒暖差の大きさが、特性である甘みを生む。曙地区の生産業者は、他品種との交配を防ぐために、ほ場の分離などを徹底し、何世代にもわたり種子を選抜することで、「あけぼの大豆」の粒の大きさを維持してきた。
■第120号「ところピンクにんにく」
生産者団体:常呂町農業協同組合
生産地:北海道北見市常呂町
【特性】
外皮はピンク色を呈し、にんにく本来の風味や香りが強く、生で食した時のピリリとした強い辛みが特徴。糖度が高く、香りの主成分である有機イオウ化合物等が多く含まれている。
【地域との結び付き】
生産地は、オホーツク海沿岸に位置、冬季は流氷が接し、内陸性の気候となるため、厳しい冷え込み。また、風が強く土壌も乾燥。こうした厳しい自然による環境ストレスが「ところピンクにんにく」の品質に結びついている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日