副業の対象に「農産物の生産活動」を明示 長野県が職員の地域貢献促進へ2022年4月2日
農業の担い手不足が課題となる中、長野県は職員の副業として「農産物の生産活動」を認めるなど、可能な範囲を明確化して積極的に地域社会に貢献する方針を示した。農産物の生産活動を明確に副業の許可対象とするのは、都道府県レベルでは初めてという。
職員の副業許可について説明する長野県の阿部知事(長野県提供)
長野県は、2018年に「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」を設け、職員の地域や社会に貢献する活動参加を認めてきた。現在、中山間地域の耕作地維持活動や日本語指導、通訳ガイドなど29人の職員が活動している。しかし、副業を希望する事業所が営利企業の場合、公益性の判断が難しく、職員が参加をためらうケースがあったという。
このため長野県は、より県職員が地域社会に飛び出しやすくするよう、改めて副業の可能な範囲を明確化し、4月1日から運用を始めた。公益性の判断について、①営利企業であっても、副次的に広く不特定対数の利益の増進に寄与すること②従事者数が不足して社会的な需要が高いこと、を満たせば従事が可能で、従事可能な時間としては、疲労で職員の職務に影響しないよう「週8週または1か月30時間以内、また、1日3時間以内」などと上限も定めた。
想定される活動例としては、地域で取り組んでいるリンゴや高原野菜など農産物の生産活動や集落営農組織における農地保全活動、農村体験のための収穫体験ツアーの企画運営などを示している。
長野県の阿部守一知事は、3月25日の記者会見で、「県庁に閉じこもらず、地域で一緒に活動する職員の姿を通して県への信頼にもつながると思う。地域に飛び出す活動に前向きな雰囲気をつくり、行政と住民、NPO、企業との連携協力がしっかり進むよう取り組んでいきたい」と述べた。
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