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12年ぶり桜まつり 原発事故の帰還困難区域で 福島県富岡町 夜ノ森・桜トンネル2022年4月11日

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東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域内で、徐々に規制解除が進んでいる。その一つ、福島県富岡町のJR常磐線夜ノ森駅周辺で、4月9、10日の両日、桜まつりが開かれた。12年ぶりの開催となり、町外に避難している町民などがかつての町の賑わいを忍びながら、満開の桜の下を散策した。

12年ぶりの桜の下で散策する人々12年ぶりの桜の下で散策する人々

全長2.2kmの桜並木は、原発事故前から知られた桜の名所で、桜を楽しむ多くの人で賑わった。2011年の原発事故で帰還困難区域になり、今年の3月まで立ち入りできなかったところで、規制が緩和されて居住できるようになって初めての大きなイベント。

この間、桜は町によって管理されており、事故前と同様、今年も見事な花を咲かせた。ただ、かつて並木の両側にあった民家や商店は、その多くが解体され、わずかに門柱やブロック塀が残るのみで、満開の桜とのアンバランスを際立たせていた。

桜並木は歩行者天国となり、路上でさまざまなパフォーマンスが繰り広げられた。富岡町と一緒に地元産野菜のブースを出店したJA福島さくら営農部の職員は「野菜はすべ検査済みで安全なものばかり。早く、元通りの農業ができるようにしたい」と話した。

また藍染のエコバックなどを出品した「おたがいさま工房」の男性(75)は「規制解除で富岡町に戻った。小さいころから見てきた桜がまた見られるのは楽しみだが、趣味を一緒に楽しめる仲間が早く戻れるようになってほしい」と、町の復興に期待を寄せた。

なお、帰還困難区域とは「特定復興再生拠点区域」のこと。将来にわたって制限するとされてきた区域のなかで居住が可能となったところをいう。現在、福島県の6町村に対象区域があり、今年の春から解除が始まっている。

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