輸出で所得アップ JA十勝清水町とJAいわて中央 GFP優良事業者に認定2022年4月12日
農林水産省は4月11日、農林水産物・食品に取り組む事業者を支援するGFPに参加している事業体から11社をGFP優良事業者(アンバサダー)に認定し、同日、認定式を行った。JAでは北海道のJA十勝清水町と岩手県のJAいわて中央が選ばれた。
アンバサダーに認定された事業者の代表と武部新農水副大臣ら関係者
GFPは農林水産物・食品の輸出を意欲的に取り組もうとする生産者・事業者などの支援と連携を図るため2018年に農水省が立ち上げたプロジェクトで、現在6100社が登録している。登録事業者に対して、農水省が輸出診断を行ったり、輸出商社から商品リクエスト情報を受け取ることができるなど、情報交換や交流などもできる。
認定式で武部新農水副大臣は「2018年にスタートした当時の登録は700社だったが6100社を超えるまでになった。本日はそのなかから輸出に貢献してもらっている事業者をアンバサダーとして認定する。輸出に取り組みたい人を応援するなど、さらに輸出を盛り上げてほしい」などとあいさつした。
認定式の後は会場で意見交換した。出席者は継続的に輸出をしていくための情報発信の仕方や、現地の取引先との関係づくり、商談会の活用の仕方、価格決定のあり方など、副大臣や農水省関係者に伝えた。
JA十勝清水町は黒ニンニクの輸出に取り組んでいる。JAとしてニンニクの産地化をめざすなかで2019年にGFPに登録しGFPグローバル産地づくり推進事業を活用し、世界第2位のニンニク輸出国のスペインを視察、現地で使用されている機械を導入して省力化栽培体系をつくった。JAは加工場で規格外品を活用したニンニク調味料を開発して販売、輸出もしている。
産地づくり3年目で台湾、香港、さらにフィンランドにも試験的に輸出している。富樫和之参事は「生産者と一体となって輸出に取り組んできた。スタートラインに立ったばかり。GFPのメンバーに学んでいきたい」と話す。
JAいわて中央は2009年からタイへのリンゴ輸出を開始した。同JAではリンゴの特別栽培に取り組んできたが、国内では贈答用需要が減少したことから、生産者の手取りを確保するため輸出に取り組んだ。タイでは栽培法に対する理解と同時に味も評価され輸出が実現。安定供給につなげるため2014年からはタイ向けにアップルパイの原料供給も開始した。2016年からはベトナム、台湾、その後、北米にも輸出している。
価格を決めて契約。輸出によって10a当たり2万円以上の所得向上につながっているという。2030年までに現在の輸出金額の3倍の5000万円をめざす。北米向けに岩手牛のテスト輸出も予定している。
畠山進常務理事は「生産者と一体となって生産し、JAが出向いて販売していくことが大事。JAいわて中央のリンゴとして継続的に輸出したい」と話す。
他にアンバサダーに選ばれたのは以下の通り。
▽アグベル(山梨県 ブドウの生産者)
▽杉本商店(宮崎県 乾しいたけなどの生産者)
▽レッドアップ(熊本県 トマト・トマト加工品の生産者)
▽大吉農園(鹿児島県 キャベツの生産者)
▽東亜食品工業(兵庫県 そうめん・うどんなど)
▽PPIH(東京都 小売業)
▽イヨスイ(愛媛県 水産加工・販売)
▽umamill(東京都 加工品のECサイト)
▽萌す(沖縄県 輸出商社)
重要な記事
最新の記事
-
持続可能な食と農へ 農中と農研機構が協定2025年4月23日
-
将来受け手のない農地 約3割 地域計画で判明2025年4月23日
-
ふたつの「米騒動」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月23日
-
鳥インフル対策 大規模養鶏は分割管理を 農水省2025年4月23日
-
米の生産目安見直し 1.7万トン増産へ 北海道2025年4月23日
-
県内国公立大学の新入学生を秋田県産米「サキホコレ」で応援 JA全農あきた2025年4月23日
-
「岐阜えだまめ」の出荷始まる 初出荷は80kg、11月までに700t出荷へ JA全農ぎふ2025年4月23日
-
いわて純情米消費拡大月間がキックオフ JR盛岡駅前でおにぎり配布 JA全農いわて2025年4月23日
-
2025いわて純情むすめ大募集 純情産地いわての魅力を全国に伝える JA全農いわて2025年4月23日
-
【JA人事】JA常総ひかり(茨城県) 堤隆組合長を再任2025年4月23日
-
食べ物への愛と支える人々への感謝込め ニッポンエールからグミ、フルーツチョコ、ドライフルーツ詰め合わせ 全国農協食品株式会社2025年4月23日
-
カレー、ラーメンからスイーツまで 「鳥取の魅力」詰め合わせ JA鳥取中央会2025年4月23日
-
大自然から生まれたクリームチーズ 昔ながらの手作り飴に 蔵王酪農センター2025年4月23日
-
千葉県柏市「柏市公設市場」一般開放デー開催 市内JAが初出店2025年4月23日
-
新茶の季節に「お茶フェア」産地直送通販サイト「JAタウン」で初開催2025年4月23日
-
緑茶用品種「せいめい」全ゲノム配列を解読 多型情報解析を可能に 農研機構2025年4月23日
-
AIとIoT、新規センサを活用 スマート畜産排水処理技術を開発 農研機構2025年4月23日
-
「サツマイモ基腐病を防除する苗床の土壌還元消毒SOP」第2版を公開 農研機構2025年4月23日
-
第11回京都市場伊賀産肉牛枝肉研修会開く 伊賀産肉牛生産振興協議会2025年4月23日
-
充実の装備と使い勝手の良さで計量作業を効率化 農家向け計量器2機種を発売 サタケ2025年4月23日