地域金融機関のESG投融資へ実践ガイダンス 農水省2022年4月14日
農林水産省は、このほど地域金融機関によるESGを考慮した事業性評価に基づく投融資を推進するため「農林水産業・食品産業に関するESG地域金融実践ガイダンス」をとりまとめた。
ESG地域金融とは、ESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を考慮した投融資や本業支援のこと。ESG要素に着目した地域資源の活用ニーズの掘り起こしなどで新たな案件発掘と、持続可能な地域の実現にも貢献することになる。
ガイダンスでは具体的な要素として「環境」では気候変動の対応のため省エネ型設備や農機の導入、水やエネルギー利用のマネジメントとして畜産の汚水処理施設の整備や、営農型太陽光発電の導入支援などを例として挙げている。
「社会」では地域経済活性化のための6次産業化や農商工連携、「ガバナンス」の面ではGAPの導入や、契約型取引によるサプライチェーン関係者全体でのリスク負担なども挙げられている。ESG投融資を意識しなくても、すでにこうした課題解決のために投融資が行われている案件もあるとみられる。
農水省はガイダンスのなかで農業の生産性向上と持続可能性の両立をめざす「みどり戦略」に触れて、ESG投融資との関連性も説明している。
すでに行われている具体例も紹介。農林中央金庫が日本レンタルパレットに行っているグリーンローンの例も示している。
同社のパレット共同利用の事業を支援するもので物流の効率化と必要となるパレット数の低減でCO2削減が可能となる。ドライバーの労働緩和にも寄与する。負荷の大きい物流現場での手荷役を省くことで、生産者や食品メーカーの金銭的・人的コスト負担を軽減できる。
ガイダンスが地域金融機関がESG投融資を行う場合の実践のポイントを解説。事前準備としての外部環境分析やヒアリング、目指すべき価値の評価と認識の共有、機会獲得やリスク緩和に向けた支援実行という手順を示している。
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