アフリカのコメ増産に貢献 オンラインで研究成果発信-国際農研2022年4月19日
国際農研(JIRCAS)は広報活動の一環として4月18日から24日までオンラインで一般公開をしている。研究職員によるミニ講演ではアフリカの厳しい環境でのコメ増産などが解説されている。
アフリカでのコメ増産に取り組んでいるのは生産環境・畜産領域の辻本泰弘プロジェクトリーダー。
辻本氏が研究と開発を続けているのがマダガスカル。日本の1.6倍の面積がある世界で4番目の島である。
島の人口の6割が農業に携わっているが、栄養不足人口は43%で1日1ドル以下の生活を余儀なくされているのは78%になるという。
コメの生産は盛んで消費量は日本人の2倍だという。しかし、米を作るための農地を得るため焼畑が行われて20年間で19%の一次林を消失した。
コメづくりの75%は無施肥だといい、古い土壌が多いためにリンが少ないのだという。
辻本氏は、コメの生産を改善するために国際共同研究プロジェクトを立ち上げ、生産現場での実験と観察を繰り返した。その結果、少量のリン肥料を混ぜた泥に苗を付着させることで生産性が改善する方法を考案した。
この方法では田植えから収穫までの期間が短縮され、生育中の水不足のストレスからイネも農家も開放されるという。また、初期成育がよく突発的な冠水ストレスに強いことも分かった。
この「P-dipping」という技術は少ない肥料で生産性向上させるため、貧しい農家でも利用が可能で現地で評価されている。JICAや現地の政府などと連携で3000農家へ普及しているという。
マダガスカルの厳しい条件のなかでいかにコメの生産量を上げ、安定した収穫を得るかという地域の課題を解決する技術であると同時に、肥料の効率的な利用による持続可能な農業を実現するという世界的な課題にも応えるものだ。
ロシアのウクライナ侵攻で世界の食料安全保障が焦点となるなかで現場に根差した研究成果として発信されている。この技術は昨年の第20回日本農学進歩賞を受賞している。
4月24日13時からは「変わりゆくアフリカ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料」をテーマにパネルディスカッションの配信が予定されている。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】果樹全般にチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で発生と加害を初めて確認 広島県2025年10月24日 -
東京と大阪で「業務用米セミナー&交流会」 グレイン・エス・ピー2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(1)2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(2)2025年10月24日 -
【人事異動】農水省(10月21日付)2025年10月24日 -
生産者の米穀在庫量257kg 前年同月比17.4%減 農水省2025年10月24日 -
(458)農業AIは誰の記憶を使用しているか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月24日 -
甘みたっぷりブランド温州みかん 福岡県産「北原早生フェア」25日から開催 JA全農2025年10月24日 -
11月23日は『ねぎ』らいの日「小ねぎフェア」27日から開催 JA全農2025年10月24日 -
関西電力発行のトランジション・ボンドに投資 温室効果ガス削減を支援 JA共済連2025年10月24日 -
滋賀県産近江米「みずかがみ」など約50商品を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年10月24日 -
寒さの中に咲く、あたたかな彩り「埼玉県加須市産シクラメン」販売開始 JAタウン2025年10月24日 -
JAタウン「あつめて、兵庫。」×「お肉の宅配 肉市場」コラボ特別セット販売2025年10月24日 -
【農と杜の独り言】第5回 水田のある博覧会 食料安保考える機会に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年10月24日 -
ありあけ「横濱ハーバーダブルマロン」で「ミャクミャク」「トゥンクトゥンク」 のコラボ商品発売 国際園芸博覧会協会2025年10月24日 -
鳥インフル スウェーデンからの生きた家きん、家きん肉等 輸入一時停止 農水省2025年10月24日 -
全国約270店舗が参加「やっぱりおいしい!!宮城米プレゼントスタンプラリー」開催中2025年10月24日 -
東大発 農業AIスタートアップが「農地集約サービス」提供開始 ソラグリ2025年10月24日 -
鳥インフル 米アイダホ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月24日 -
生菌入り混合飼料「ビオスリー EX」発売 東亜薬品工業2025年10月24日


































