ウクライナから避難のペット対応 「緩和ではなく特別事情考慮した検疫規則に沿った措置」と農水省2022年4月21日
ウクライナからの避難者と一緒に入国したペットについて、一定の要件を満たせば検疫期間中も避難民の滞在先などで過ごせるような措置を取ったことについて、一部で誤って伝えられているとして、農水省は4月20日、「今回の措置は要件の緩和ではなく、戦闘状態で検疫の証明書を発行できないウクライナの特別な事情を考慮した検疫規則に沿った対応であり、施設の外でも厳しく管理を求めていることを理解していただきたい」と改めて説明した。
農水省によると、先月26日から4月9日にかけて、ウクライナからの避難者とともに5頭の犬が入国した。検疫についてのウクライナの証明書がないため、狂犬病予防法などに基づいて動物検疫所で最長180日間の係留が必要とされるが、農水省は今月18日、戦闘状態にあるウクライナの事情や長期間にわたってペットと離れ離れになる避難民の不安などに考慮して、一定の要件を満たせば避難民の滞在先などで管理できるよう特別の措置を取った。
検疫規則では、災害救助犬として入国した場合、①マイクロチップによる個体識別をしていること②狂犬病のワクチンを2回摂取していること③必要な抗体量の数値が確認できることなどの要件を満たしていれば、係留が必要な期間中も施設外で管理することが認められるという。今回もウクライナが証明書の発行が難しい状況であることを考慮してこの特別な措置を運用したという。
ところが、一部で「要件を緩和した」などと報道されたことがSNS上で広がり、農水省や検疫所に「何の条件もなく外に出すと狂犬病が広がるのではないか」などといった問い合わせが多数寄せられ、改めて説明の場を設けることにしたという。農水省の担当者は「あくまで現行の規則に基づく判断であり、緩和ではない。飼い主の元に戻っても1日2回の健康観察や動物検疫所への週1回の報告、他の動物と接触させないなどの適切な管理を厳しく求め、こうした義務の順守を前提に認めることにしており、理解していただきたい」と強調した。
同省によると、入国した5頭の犬のうち数頭はワクチンの2回摂取を受けており、血液検査で問題なければ、飼い主の滞在先か支援者の元での管理を認める方向で調整しているという。
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