景気は持ち直し基調 23年度経済成長2.0% 農中総研が経済見通し2022年5月26日
農林中金総合研究所は5月23日、2022~23年度改訂経済見通しを発表した。それによると景気は持ち直しに向かっていると分析。しかし世界的なインフレが国内に波及し始めており、景気の持ち直しがやや抑制されるとみている。日本の経済の2022年度の成長率は2.7%(前回見通しから下方修正)、23年度は2.0%と見込む。
同研究所の経済見通しによると、1~3月期の消費関連指数はコロナ感染「第6波」来襲でサービス部門を中心に軒並み悪化した。一方で、3月の景気動向指数(CI一致指数)は2カ月連続で上昇し、景気の基調判断は2月の確保に続き「改善」した。しかし、エネルギー、食料品の値上がりが本格化しており、今後の回復ペースを抑える可能性もある。
また、1~3月期のGDPは2四半期ぶりのマイナス成長(前期比▲0.2%、同年比1.0%)となった。一方で、民間企業設備投資、民間在庫変動、輸出等が成長率押し上げ要因となり、21年度のGDP成長率は実質2.1%、名目1.1%と、それぞれ3年ぶり、2年ぶりのプラスとなった。
日本経済・物価の見通しについて、2022年度の経済成長率は2.7%、23年度は2.0%成長を見込む。足元の4~6月期は、コロナ感染の収束で、サービス消費の持ち直し傾向が強まるとみる。この結果、インフレ圧力の強まり、家計の実質購買力の目減りや企業のコスト増などが、回復の勢いを削ぐ可能性があるが、経済成長率は前期比年率5.4%と2四半期ぶりのプラスとなり、コロナ前の水準を要約回復する見込み。
22年夏以降は、訪日観光客の増加や需要喚起策などで持ち直しが本格化して国内景気は回復基調をたどり、23年度入り後、GDP水準は過去最高を更新する。ただし、ゼロコロナ政策を続ける中国国内のコロナ感染状況、先進国・地域における金融引き締めによる影響、さらには世界的エネルギー・食料が不足する事態も想定され、下振れリスクは依然として高いとみている。
なお、雇用情勢は、ウィズコロナへの移行の遅れから、感染状況に対面型サービス業の業界が左右されることもあって雇用慣例井指標の改善ペースは非常に緩やか。失業率は22年度2.6%、23年度2.4%と予想する。
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