子牛価格下落に奨励金 繁殖農家を支援 農水省2022年6月15日
農林水産省は6月14日、肉用子牛の価格が大幅に下落していることをふまえ、繁殖農家に奨励金を交付する臨時対策の実施を決めた。
黒毛和種の肉用子牛価格は4月時点では1頭70万円を超えていたが、6月13日時点では66万円への急落した。飼料高騰で今後の経営に不安を持つ肥育農家の需要が落ちていることが背景にあるとされる。
農水省は生産者の経営環境が急激に悪化し、生産者の意欲の低下で肉用牛生産基盤の弱体化が懸念されることから価格が下落した場合に奨励金を臨時に交付する措置を決めた。
発動基準を下回った場合に年内に経営改善のための取り組みメニューのうち3つ以上を行う繁殖農家に交付される。
経営改善の取り組みメニューは、▽経営分析、▽飼料効率の改善、▽子牛の疾病防止(下痢防止剤の投与など)、▽駆虫・防虫対策、▽生体管理の徹底(削蹄の実施など)、▽寒冷対策、▽暑熱対策、▽添加物による栄養補助。
発動基準は黒毛和種で60万円以下の場合は1頭1万円、57万円以下の場合は1頭3万円。
交雑種は30万円以下の場合は1頭1万円、29万円以下の場合は1頭3万円。乳用種は18万円以下の場合は1頭1万円、17万円以下の場合は1頭3万円が交付される。
農畜産業振興機構の優良肉用子牛生産推進緊急対策事業として実施する。予算額は102億円。6月から12月までの臨時・緊急の措置。3品種の発動が3か月連続でなかった場合は終了する。
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