世界農業遺産に山梨の峡東地域、滋賀の琵琶湖地域2022年7月19日
農林水産省は7月19日、山梨県の峡東地域と滋賀県の琵琶湖地域が、新たに世界農業遺産に認定されたと発表した。
農水省は2019年2月に山梨県峡東地域、滋賀県琵琶湖地域、兵庫県兵庫美方地域の3地域を世界農業遺産への認定申請を承認し、その後、FAО(国連食糧農業機関)で審査が行われてきた。
このほど2地域が新たに認定された。兵庫美方地域は引き続き審査が行われている。
山梨県の峡東地域は、日本のブドウ栽培発祥の地とされ、ブドウ「甲州」は平安時代にはすでに栽培されていたと言われている。桃や柿なども古くから栽培され江戸時代にはすでに果樹の産地で知られていた。
扇状地の傾斜地で土壌や地形、気象などに応じた多様な果樹が栽培されている。独自の技術も考案され、約400年前に開発されたブドウの甲州式棚と疎植・大木仕立てを組み合わせた栽培は、雨の多い日本に適応するための技術で日本各地に普及している。
滋賀県の琵琶湖地域では、水田農業との深い関わりのなかで発展してきた琵琶湖漁業が営まれている。人が開発した水田にニゴロブナなど湖魚が遡上し、そこを繁殖場として利用するようになった。人は農作業の傍ら、湖魚を捕獲する待ち受け型の漁法を発展させてきた。
代表格はエリ漁だが、鎌倉時代には設置を制限するなど社会的な仕組みも作られた。現在の資源保全、漁業調整の源となった。ふなずしなどのナレズシは保存食となるほか、客人をもてなすご馳走や祭礼のお供えともなり、1000年以上にわたって受け継がれている。
これで日本国内の世界農業遺産は計13地域となった。
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