米の価格指数 ▲10.9% 2021年農業物価指数 農水省公表2022年8月1日
農林水産省は7月29日、2021(令和3)年の農業物価指数を公表した。農産物価格指数は前年に比べ2.8%低下、米は10.9%下がった。一方、生産資材価格指数は同5.0%上昇した。農業交易条件は悪化している。
コロナ影響 回復も反映
平成27年を100とした指数。
農産物価格指数は107.9で前年に比べ2.8%低下した。
米は114.8で前年に比べ▲10.9%と大幅に低下した。農水省は価格低下の原因に2019年産、20年産が需要減少に見合った主食用以外への作付転換が進まなかったことや、新型コロナウイルス感染症の影響で業務用需要が減少し、民間在庫量が増えたことをあげる。
野菜は95.0で同▲3.9%。2020年はきゅうり、キャベツなどが天候不順で出荷量が減少していたが、21年は前年に比べ出荷量が増加し、価格が低下したことが要因。
果実は128.8で同▲3.2%。りんごは2019年産の台風被害で出荷量が減少、2020年1月~8月の価格が上昇していたが、21年は前年に比べ出荷量が増加し同期間の価格が低下したことが要因となった。
花きは106.6で前年に比べ5.4%上昇した。2020年は新型コロナ感染症の拡大でイベント需要の減少で価格が低下していたが、21年は前年に比べて需要が回復し価格が上昇したことが要因。
畜産物は104.2で同2.2%上昇した。
鶏卵で2020年冬に発生した鳥インフルエンザによる供給減少で価格が上昇したことと、前年は新型コロナウイルス感染症の影響で外食需要が減少して価格が低下していた和牛などで需要が回復し、価格が上昇したことなどが要因となった。
農業生産資材価格指数は106.9となり前年より5.0%上昇した。
肥料は101.2で前年に比べ2.4%上昇した。複合肥料で尿素等の輸入原料価格が上昇したことによるもの。
飼料は111.6で同14.0%上昇した。トウモロコシなど輸入原料価格が上昇し、配合飼料価格が上昇したことが要因となった。
光熱動力は111.2で同12.2%上昇した。重油、ガソリンなどでコロナ禍からの世界経済の回復や、産油国の協調減産による原油高で価格が上昇したことによる。
建築資材は119.8で同12.9%上昇した。角材、板材など世界的な木材需要の高まりで価格が上昇したことによる。
農産物価格指数を農業生産資材価格指数で割った農業交易条件指数は、100.9となり同7.4%低下した。一部を除き農産物価格が下落する一方で生産資材価格が上昇したことで交易条件は悪化した。
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