生産基盤強化 みどり戦略の実現 2023年度予算要求の主要事項2022年8月4日
農林水産省は8月3日の自民党の農林関係合同会議に2023(令和5)年度農林関係予算の概算要求の主要事項を示した。
8月3日の自民党の農林関係会合
農水省は、世界の食料需給をめぐるリスクの顕在化に対応し、食料安全保障の確立と農林水産業の持続可能な成長を推進するための予算を要求する方針を説明した。
ただ、食料安全保障の強化に向けた予算については8月の概算要求ではなく、TPP関連対策をふまえた農業予算とともに、年末の予算編成過程で検討するとした。
概算要求では8つの主要事項を要求する。
「生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施」では、畜産・酪農、野菜、果樹、花など生産基盤の強化と、水田活用の直接支払いなどによる米の需要に応じた生産と、国産小麦、米粉の生産拡大と需要拡大に資する予算を要求する。
飼料用トウモロコシ、高栄養価牧草など国産飼料の生産と流通の推進、収入保険、ゲタ・ナラシ対策など経営安定対策の着実な実施も主要事項とした。
「5兆円目標の実現に向けた農林水産物・食品の輸出力強化、食品産業の強化」では、育成者権管理機関による知的財産の実効的な管理・保護、、海外需要の創出と品目団体の取り組み強化などのほか、「食品産業における国産原料への切り替え促進、価格転嫁の円滑化」も主要事項とする。
「みどりの食料システム戦略の実現に向けた政策の推進」では、化学農薬・化学肥料の低減と高い生産性を両立する新品種・技術の開発、有機農産物の生産・需要拡大、堆肥の活用などグリーンな栽培体系への転換、環境保全型農業支払交付金による幅広い取り組みの推進などの予算を要求する。
「農地の効率的な利用と人の確保・育成、農業農村整備」では、地域計画の策定とその実現に向けた取り組みの推進、農地中間管理機構を活用した農地の集約化、新規就農者の育成・確保、女性の活躍推進などの予算を要求する。
「農山漁村の活性化」では、農村RМО形成、中山間地域等の農用地保全を軸とした総合的な対策の推進、ICTを活用した鳥獣被害防止対策の推進とジビエ利活用の拡大などを進める予算を要求する。
そのほか「スマート農林水産業、デジタルトランスフォーメーションの推進」、「食の安全と消費者の信頼確保」、「カーボンニュートラル実現に向けた森林・林業・木材産業によるグリーン成長」を主要事項としている。
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