輸入小麦の政府売渡価格は据え置き検討 農水省 買い付け価格は約2割増も首相指示受けて2022年8月22日
農林水産省は、10月からの輸入小麦の政府売渡価格について、現行の1t7万2530円を据え置く方向で検討を進めている。岸田文雄首相が8月15日の政府の第3回物価・賃金・生活総合対策本部で、野村哲郎農相に据え置きを指示したことを踏まえたもので、9月上旬に予定されている価格改定に向けて「パンや麺類の価格高騰に対し、必要な抑制措置を検討する」と説明している。
農林水産省は今年3月、ウクライナ情勢を受けて国際市場で穀物価格が急騰する中、4月からの輸入小麦の政府売り渡し価格を17.3%引き上げて1t7万2530円とすると発表した。過去2番目に高い価格で、ウクライナ紛争の長期化などで、10月の価格改定ではさらに引き上げられるとの見方もされていた。
10月の価格改定の算定期間は、今年3月第2週から9月第1週までで、農水省によると、4月期算定期間の買付価格の平均と比較すると、これまでに約2割上昇しているという。15日の会議で農水省側からこうした状況について説明されたのに対し、岸田首相は、「日常の生活に欠かせないパンや麺類などの製品価格の高騰は切実。10月以降も、政府から国内製粉会社への売渡価格を据え置くよう指示する。早急に対応策を具体化していただきたい」と野村農相に対応を求めた。
農水省は首相からの指示を踏まえて、政府売渡価格を据え置く方向で検討を進めており、「今後の価格動向を注視し、パンや麺類などの価格高騰に対し、必要な抑制措置を検討する」と説明している。農水省の資料によると、小麦の国際価格(シカゴ相場)は、ウクライナ情勢を受けて3月上旬に急騰したが、その後、ウクライナからの穀物輸出の再開や、ロシアの冬小麦の豊作見通しなどを受けてピーク時より4割以上低下し、おおむねロシアのウクライナ侵攻前の水準に戻ってきているという。
重要な記事
最新の記事
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「財務省経済産業局農業課」て何?2024年7月18日
-
1970年代の農村社会の異質化の進展と農業【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第299回2024年7月18日
-
「JAサイネージ」 JA本店や金融店舗の情報発信にも利用拡大 あぐラボ2024年7月18日
-
【人事異動】JA全国共済会 新会長に坂本富雄JA埼玉県中央会会長(7月18日)2024年7月18日
-
スマホでより便利に「石川県Aコープ(ジャコム石川)アプリ」提供開始2024年7月18日
-
TOWING「宙炭」活用 根域制限栽培によるシャインマスカット栽培実証開始 日本農業2024年7月18日
-
バイトアプリで1万人採用 農中提携の農業人材サービス 労働力確保に寄与2024年7月18日
-
全国7000名以上の生産者の声を反映 生産コスト低減へ JAグループ宮城 共同購入コンバイン出荷式 JA全農2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 全県で多発のおそれ 秋田県2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年7月18日
-
【注意報】野菜、花き類にオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 過去10年最多の昨年を上回る誘殺 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】ネギにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】果樹全般に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年7月18日
-
農業用ドローン専用カスタマーサポート 繁忙期で対応拡大 ナイルワークス2024年7月18日
-
食物繊維が豊富なもち麦2種の品種登録 成果を紹介 生研支援センター2024年7月18日
-
AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」エントリー&ハイエンドモデル同時リリース2024年7月18日