「ルビーロマン」の苗木が韓国流出か 遺伝子型一致し石川県が対策強化へ 国は重要品種の品種登録呼びかけ2022年9月8日
石川県で開発された高級ブドウ「ルビーロマン」と、韓国で「ルビーロマン」と称して販売されているブドウの遺伝子型が一致したことが分かった。石川県は苗木が流出した可能性が強いとみて、海外での商標登録を進めるなど対策を強化している。農水省は、同様の事態を防ぐため、重要品種についてはできるだけ品種登録をするよう都道府県などに呼びかけている。
石川県が開発した高級ブドウ「ルビーロマン」
石川県によると、韓国で「ルビーロマン」と称するブドウが販売されているとの報道があったことを受けて、今年8月に韓国のデパートで販売されている商品を入手して国の検査機関で鑑定した結果、遺伝子型が一致したという。また、韓国ですでに「ルビーロマン」の名称で商標登録されていることも分かった。
「ルビーロマン」は、石川県が開発した高級ブドウの品種で2008年にデビューし、現在は118戸の農家が生産し、昨年の生産量は約2万4000房に上る。石川県は苗木が流出したとみて、生産農家に管理強化を求めるとともに、「ルビーロマン」と称する韓国産が他の国で販売されないよう、米国やヨーロッパなどで商標登録を進めている。すでに台湾では登録したという。ただし、品種登録をしていなかったため韓国内での販売を止めることはできないという。
石川県によると、韓国で「ルビーロマン」と称して販売されているブドウは、石川県産の「ルビーロマン」に比べると小粒で糖度が低く、価格も安いという。
重要品種の海外流出をめぐっては、農研機構が育成したブドウ品種「シャインマスカット」が中国に流出し、年間100億円の損失が発生していると農水省が試算している。同省は、同様の事態を防ぐため、知的財産権の管理や国内外での侵害の監視・対応をはかる「育成者権管理機関」の設置を目指すとともに、重要品種についてはできるだけ速やかに品種登録を進めるよう都道府県などに呼びかけている。
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