流出防止へ海外での品種登録を都道府県に呼びかけ 石川県の「ルビーロマン」流出問題受けて2022年9月15日
石川県で開発された高級ブドウ「ルビーロマン」の苗木が韓国に流出したとみられる問題を受けて、農水省は、流出を防ぐ対策として海外での品種登録を促す通知を都道府県に出した。
石川県で開発された「ルビーロマン」をめぐっては、韓国で「ルビーロマン」と称して販売されているブドウの遺伝子型が一致していることが分かり、石川県は苗木が流出した可能性が強いとみて対策の強化に乗り出している。ただし、韓国では品種登録をしていなかったため韓国内での販売を止めることはできないという。また、農研機構が育成したブドウ品種「シャインマスカット」をめぐっても、中国に流出して年間100億円の損失が発生していると試算されている。
農水省はこうした事態を受けて、9月14日、各地の農政局を通じて都道府県に、こうした優良品種の海外流出を防ぐため、できるだけ海外でも品種登録を進めるよう促す通知を出した。
優良品種の海外流出をめぐっては、同省は同様の事態を防ぐため、知的財産権の管理や国内外での侵害の監視・対応をはかる「育成者権管理機関」の設置を目指すとともに、改正種苗法の施行で今年4月から優良品種の海外持ち出しが制限されたのに合わせて、重要品種についてはできるだけ速やかに品種登録を進めるよう都道府県などに呼びかけてきた。
一方、「ルビーロマン」をめぐる問題を受けて、石川県は14日、農水省に対して再発防止に向けて知的財産権の保護を求める要望書を農水省に提出した。この中では職員に対する研修の実施や一層の対策強化などを求めている。
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