生物多様性保全へ「ネイチャーポジティブ佐渡島宣言」 佐渡市がカナダのCOP15でもアピールへ2022年10月24日
トキの野生復帰などを進める新潟県佐渡市は10月23日、生物多様性の減少傾向を食い止めて回復に向かわせることを決意する「ネイチャーポジティブ佐渡島宣言」を発表した。12月にカナダで開かれる生物の多様性の保護について話し合う国連の会議COP15でもアピールする。
佐渡市の渡辺竜五市長は同日、市内で開かれたシンポジウムで「ネイチャーポジティブ佐渡島宣言」を発表した。同宣言は、世界で生物多様性の保全が叫ばれ、「2030年までに生物多様性の減少傾向を食い止め、回復に向かわせる」という地球規模の目標が掲げられる中、市としても生物多様性保全に向けた取り組みを積極的に推進する決意を示す内容。
佐渡市では、野生のトキが絶滅したあと2008年にトキの野生復帰を実現させ、現在、569羽まで増やすなど、生物多様性の保全に取り組んできた。また、農薬や化学肥料の使用を5割以下に減らすことなどを定めた「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度による米作りを進め、令和2年度の19.6%から8年度には25%に高める目標を掲げている。
宣言では、具体的な活動として、保護地域と生物多様性保全に貢献する場所(OECM)の拡大をはじめ、生物多様性を減少させる資源の移入・使用の削減、トキとの共生を実現した知見・経験を他地域と共有しながらパートナーシップの拡大を進めることが盛り込まれた。
佐渡市では、12月にカナダのモントリオールで開かれる生物の多様性の保護について話し合う国連の会議COP15で環境省が設けるブースで、生物多様性の保全に向けた取り組みを紹介するなど、アピールすることにしている。
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