ジビエ利用量 前年度比17.5%増 農水省2022年10月26日
農林水産省の令和3年度野生鳥獣資源利用実態調査によると、ジビエ利用量は前年度より17.5%増加した。
食肉処理施設が処理した野生鳥獣のジビエ利用量は2127tだった。このうち食肉として販売した数量は1324tで前年度に比べて11.7%増加した。
鳥獣種別にみると、シカが947tで27.5%増加し、その他鳥獣が20tで33.3%増加した。一方、イノシシは357tで16.4%
減少した。
食肉処理施設が処理した野生鳥獣の解体頭・羽数は14万4896頭・羽で前年度に比べ7.9%増加した。
鳥獣種別では、シカが9万9033頭で15.4%増加、その他鳥獣が1万6197頭・羽で18.6%増加した。一方、イノシシは2万9666頭で14.7%減少した。
2018年の豚熱発生以来、各地で野生イノシシの豚熱感染が確認され、家畜防疫と食品衛生の観点から、野生イノシシ陽性確認地点から半径10㎞圏内の区域で捕獲された野生イノシシの利用は、自家消費を除き出荷自粛が要請された。その後、2021年4月からジビエ利用の手引きに従い適切に豚熱ウイルス拡散防止策を講じることによって、豚熱陰性が確認されたイノシシの肉の出荷が可能になった。ただ、出荷量の減少が続いている。
食肉処理施設で野生鳥獣を処理して得た金額は39億円3700万円で前年度より12.6%増加した。このうち食肉の販売金額は34億800万円で前年度に比べ9.7%増加した。種別にみると、シカが20億5600万円で41.6%増加、その他鳥獣が8400万円で47.4%増加した。ただ、イノシシは12億6800万円で20.7%減少した。
農水省は農業被害をもたらすシカ、イノシシの生息頭数を2011年度から半減させ2023年度までに約207万頭とする目標を掲げている。また、ジビエ利用量を2019年度から倍増させ2025年度に4000tすることを目標にしている。
このため農水省予算ではジビエ利用する場合の捕獲活動支援単価をアップしたり、食肉利用施設の整備を補助したりなどの事業を行っている。2023年度の予算概算要求でも今年度より25億円多い125億円の鳥獣被害防止総合対策交付金を要求している。
農水省は11月1日からは来年2月末まで「全国ジビエフェア」を開催する。
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