水田の畑作物定着促進支援に10a当たり1.5万円×5年間 自民党会合で米政策めぐり意見や要望相次ぐ2022年10月28日
自民党の農業基本政策検討委員会と野菜・果樹・畑作等対策委員会の合同会議が10月28日、自民党本部で開かれた。この中で農水省は米政策の推進状況などを説明し、水田を畑地化して畑作物の定着支援を図る農業者支援について、10a当たり1.5万円を5年間(または一括で10a当たり7.5万円)支給する方針などを新たに示した。自民党の議員からは、畑地化支援促進事業やいわゆる「5年水張りルール」に対して意見や要望が相次いだ。
自民党の農業関係委員会の合同会議
会合では、農水省の担当者が米政策の推進状況などを説明した。この中では、水田の畑地化支援をめぐって、高収益作物は10a当たり17.5万円、麦や大豆などの畑作物は10.5万円を支援する内容に加えて、畑作物の定着を図る農業者を支援する「定着促進支援」に向けて、野菜などの高収益作物は10a当たり2万円×5年間(または一括で10a当たり10万円)、麦や大豆などの畑作物は10a当たり1.5万円×5年間(または一括で10a当たり7.5万円)を支援するメニューを新設することなどを説明した。
また、麦や大豆の国産化推進に向けて、湿害対策技術の導入やスマート技術の活用拡大などで10a当たり最大1万円を支援する方針や、水田活用直接支払交付金の交付対象水田について、5年間に1度も水張りが行われていない農地を交付対象としない、いわゆる「5年水張ルールの具体化」について、湛水管理を1か月以上行い、連作障害による収量低下が起きていない場合は水張りを行ったとみなすことも改めて説明された。
これに対して各議員から意見や要望が相次いだ。畑地化支援については、「高収益作物と畑作物への支援の差が大きすぎるのではないか」と指摘する声や「農家にわかりやすく丁寧に説明してほしい」と要望する声が上がった。また、小麦の国産化推進に積極的に取り組む農家に対し、一時保管場所を確保する際の支援を求める意見も上がった。
また、「5年水張りルール」については、「湛水管理を1か月以上行っていることをどうか確認するのか」と質問されたのに対し、農水省の担当者は「5年に1度のことをどの団体がどのように確認するかなど、より具体的に考えていきたい」と答えた。
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