9月の農業物価指数 生産資材は前年より約10%上昇 農産物は4%低下2022年10月31日
農水省は10月28日、9月の農業物価指数を公表した。農業生産資材価格指数は、飼料、肥料価格の高騰などで前年同月比で9.8%上昇した一方、農産物価格指数は、野菜や畜産物などの低下で前年同月比で4.3%低下した。ウクライナ情勢などによる資材高騰に伴う生産者の厳しい状況が改めて浮かび上がっている。
令和2年を基準年とした農産物価格指数(総合価格指数)は100.6だが、前年同月比では4.3%低下した。
前年同月と比較すると、米は▲2.4%、野菜は▲10.2%、いもは▲6.8%、畜産物は▲1.2%などといずれも低下している。このうち野菜は、根菜が29.5%上昇した一方で葉茎菜が19.9%減少と品目によって差がみられた。米は新米への切り替わり時期でもあり前月比では8.3%上昇した。
一方、農業生産資材価格指数は119.6。前年同月比では9.8%上昇した。
このうち肥料は144.9で前年同月比では38.5%上昇、飼料は147.4で同21.0%上昇した。いずれも前月からみるとほぼ横ばいで高止まりしている状況がうかがえる。また、光熱動力も灯油や農用電力の高騰で128.2と同10.8%上昇し、生産に欠かせない資材の高騰が続いている。
一方、畜産用動物は、肉用牛子牛(乳用交雑種)▲43.7%、乳用牛(子牛)▲37.3%などを含めて前年同月比で▲11.7%の下落となった。
ウクライナ情勢などによる肥料原料の高騰などで資材価格の高騰が続く一方で農産物の価格が全体的には低迷し、農業経営の厳しさがうかがえる状況となっている。
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