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食料安保強化強化など重点に農林水産関係8206億円 政府が補正予算案を閣議決定2022年11月9日

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食料安保の強化や物価高騰対策など農林水産関係で8206億円を盛り込んだ政府の令和4年度第2次補正予算案が11月8日、閣議決定された。ロシアのウクライナ侵攻などで輸入依存度の高い食料の安定供給などが課題となる中、麦・大豆の国産化や肥料の国産化、飼料自給率の向上などに重点が置かれた内容となっている。

農林水産関係の主な補正予算案の重点事業(単位:億円).jpg
配合飼料価格など物価高騰対策

物価高騰の影響緩和対策としては1127億円が盛り込まれた。
計画的に省エネルギーに取り組む産地を対象に、農業者と国で基金を設け、燃油などの価格が一定基準を超えた場合に補てん金を交付する施設園芸等燃料価格高騰対策に85億円、トウモロコシなど飼料原料価格の上昇等による配合飼料価格の高騰に対応し、補てん金を交付する配合飼料価格高騰緊急対策に103億円が盛り込まれた。
また、適正な価格形成に向けてSNS等を活用した情報発信による国民理解の醸成や、生鮮食料品等のサプライチェーンの改善・強化の支援などに25億円が計上された。

肥料原料備蓄や麦・大豆国産化など食料安保強化へ

食料安保強化に向けた構造転換対策として、1642億円が計上された。
このうち主要な肥料原料の備蓄に必要な保管経費や施設整備の経費支援や、家畜排せつ物や下水汚泥資源の活用など肥料の国産化・安定供給確保対策に270億円が盛り込まれた。
また、麦や大豆などの国産化推進に向けて水田の畑地化を支援する畑地化促進事業に250億円、低コスト生産技術の導入などを支援する畑作物産地形成促進事業に300億円が盛り込まれた。麦・大豆などの畑地化に10a当たり14万円を助成するのに加え、生産が安定するまで定着促進支援として10a当たり2万円を5年間(または一括10万円)を助成する。
水田・畑を問わず作付けの団地化や営農技術導入を支援する国産小麦・大豆供給力強化総合対策にも64億円が盛り込まれた。
さらに米粉を原料とした商品開発・普及や製粉企業などの施設整備など米粉の利用拡大に向けても140億円が計上された。

輸出5兆円実現への戦略などTPP関連対策

TPP関連対策としては2704億円が計上された。
2030年の輸出目標5兆円の実現に向けた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」実施に約430億円が盛り込まれた。また、畜産物の輸出拡大や飼料増産等の生産基盤強化などを支援する畜産クラスター事業に555億円が計上された。国産チーズの競争力強化に向けた品質向上やブランド化、需要拡大への取り組みを支援する対策にも53億円を計上。新規就農者の確保支援など農林水産業の担い手確保・育成に54億円が盛り込まれた。

さらに持続可能な成長に向けた農林水産施策の推進として、酪農経営の安定に向けて生乳需給改善につながる生乳の生産抑制や乳製品長期保管の取り組みなどを支援する対策に57億円、野菜価格安定対策事業に81億円が計上された。

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