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農地確保は「国の責務」法定化を 農水省の研究会で委員が意見2022年12月16日

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農林水産省の「農地法制の在り方に関する研究会」第1回会合の議事概要がこのほど公表された。委員からは「農地の確保は国の責務であることを法定化すべき」などの意見が出されている。

世界の食料事情が不安定化するなかで、食料安全保障を強化する必要があり、農地はその根幹となるもので農水省は「しっかりと確保していくことが重要」としている。

しかし、耕作放棄地の増加の一方、多様な主体による農地利用、営農型太陽光発電の普及、産地と連携し原料確保を志向する食品産業の増加など、農地をめぐる情勢が変化していることから、農水省は今後の農地法制のあり方について具体的な検討を進めるため有識者からなる研究会を設置した。

テーマは▽農用地等の確保に関する国の関与の在り方及び食料安保の観点に立ったゾーニングの在り方、▽農地の適正利用強化策の在り方(農地の権利取得規制、営農型太陽光発電等)、▽担い手の6次産業化、川下等との連携強化の支援策の3つ。おおむね月1回程度のペースで有識者ヒアリングと意見交換を実施する。

第1回会合は12月12日に開催された。

日本の農地面積は国土面積の約8分の1を占めているが、宅地や工場などへの転用と荒廃で一貫して減少している。2022(令和4)年の面積は433万haで1961(昭和36)年の609万haの約7割となっている。

農水省によると、2020年の遊休農地の面積は約28万haでこのうち再生利用可能な面積は約9万ha。再生利用が困難な面積は約19万haとしている。再生利用が困難な遊休農地は「非農地化」を推進している。

国は担い手への農地集積を進めるため2014年に農地中間管理機構(農地バンク)を創設。2021年度で担い手の利用面積シェアは58.9%となっている。ただし、政府は23年度までに8割とする目標を掲げている。

農地法制は(1)農地を面的に確保する「農業振興地域の整備に関する法律」、(2)個々の農地の適正利用を確保する「農地法」、(3)確保された農地を担い手に集積・集約化する「農業経営基盤強化促進法」がある。

農振法では、農用地区域の設定と除外は、市町村と都道府県の自治事務で地域の事情を考えて実施しており国の関与はない。農水省は研究会で大規模な優良農地が転用目的で農用地区域から除外される事例を示した。

委員からは▽農地の確保は国の責務であることを法定化すべき、▽農用地区域からの除外手続きは市町村と都道府県で行われており、国の関与が一切ないことは問題、▽平成21年の農振法改正で国として確保すべき農地面積の目標を設定する仕組みとしたが市町村まで配分されず、個別具体的な除外が市町村段階で行われているのは問題、▽農地の総量確保に当たっては、地域振興と国の政策のバランスをとる必要があるが、土地利用の個別ニーズへの対応が求められる市町村には難しい。国の関与が必要、▽農地の総量確保については国と現場で認識のギャップがある。国民的運動により問題意識を共有化する必要がある、といった意見が出された。

また、営農型太陽光発電は、農地に支柱を立てて太陽光パネルを設置し、パネルの下で営農を行い発電と両立させようというもの。支柱の基礎部分が一時転用許可の対象となる。農水省によると約2割が営農に支障が出ているという。

委員からは▽現場で問題が生じていることを踏まえると法制度で営農型太陽光発電の在り方を考えていく必要がある、▽日照を100%遮り、下部でサカキ等を栽培している姿が「営農」と言えるのか。下部農地での耕作が適切に行われる仕組みとすべき。▽設置場所についても地域計画との整合を図るべきとの意見が出された。

農地の権利取得について、現行の農地所有適格法人は農業関係者が議決権の過半を持つことで決定権を確保しており、農業関係者以外の議決権は2分の1未満とされている。かりにこの規制がないと権利を取得しても、収益が上がらないからと簡単に撤退したり、産廃置き場などに転用したりなどの懸念が農村現場にはある。

この問題について委員からは▽農地所有適格法人への出資の柔軟化の検討に当たっては、報告徴求や除外禁止等についても併せて検討する必要がある。買収等も含め国が関与する仕組みとする必要がある、との意見が出された。

その他、川下との連携については▽大手小売店では物流費が増加するなか、近くの産地を開拓する動きが見られ、生産者と川下との連携を進めていく必要がある、▽制度的支援を検討する必要があるといった意見があった。

【農地法制の在り方に関する研究会 委員】(敬称略)
〇加藤百合子 (株)エムスクエア・ラボ代表取締役

〇馬場利彦 JA全中専務理事

〇原田純孝 東大名誉教授・弁護士

〇疋田一男 豊田市産業部農政企画課長

〇柚木茂夫 全国農業会議所専務理事

〇吉冨耕治 茨城県農林水産部農業政策課長

〇吉原祥子 東京財団政策研究所研究員・研究部門主任

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