メタン排出抑制 牛に新たな細菌発見 農業技術10大ニュース 農水省2022年12月27日
農林水産省は12月27日、2022年農業技術10大ニュースを選定した。この1年間に新聞記事となった民間企業、大学、公立・国立研究機関の研究成果から10課題を農業技術クラブ(農業関係専門紙など30社加盟)の加盟会員による投票で確定した。今年は農業での温室効果ガス排出ゼロなど環境負荷軽減をめざす「みどり戦略」に関連する技術が目立った。

1位に選ばれたのは、メタンの産生が少ない牛から新たな細菌を発見した農研機構の研究成果。メタン産生は牛によって異なることが知られていたが、産生が約2割少ない牛からメタン産生抑制に関与する働きを持つ新種の細菌を見つけた。
この細菌は飼料を栄養に変換するプロピオン酸の前駆物質を多く産生することも判明し、摂取した飼料の利用性を向上させることも分かった。
新たな細菌を生菌材として活用することで温室効果ガス削減と生産性向上を両立する技術につながる可能性がある。
第2位は植物性プラスチックのリサイクルによる肥料製造。東京工大、東大、京大が研究した。植物由来原料(イソソルビド)からプラスチック(ポリカーボネート)を合成後、それを再利用するためアンモニアで低温処理するとイソソルビドとともに尿素が副産物として生じる。これを肥料として有効活用する資源循環システムの実現が期待される。
第3位は豚熱とアフリカ豚熱を迅速、同時に判別できるリアルタイムPCR法。農研機構とタカラバイオが共同開発した。
検査の簡便化と迅速化を実現し、検査時間を4時間以上短縮した。令和3年11月1日から発売し家畜保健衛生所などで活用されている。
第4位は土壌病害診断AIアプリ「HeSo+」(ヘソプラス)の開発。土壌分析や栽培状況などをもとにほ場の土壌病害の発生のしやすさを診断し、対策を提示する。アブラナ科野菜の根こぶ病、ネギ黒腐菌核病、パーティシリウム病害(ハクサイ黄化病、キク半身萎凋病)、卵菌類病害、トマトとショウガ青枯病を対象に利用できる。
農研機構など研究機関や行政などで構成した土壌病害AI診断コンソーシアムが開発。2022年4月発売。必要なほ場のみに土壌消毒剤を使用することで使用量の削減と環境負荷低減が期待される。
第5位は「基腐病に強く多収の焼酎原料用カンショの育成」。農研機構は新品種「みちしずく」を今年4月に出願公表し、2026(令和8)年度に2000ha以上の普及に向け種芋を増殖している。12月に公表された「みどりの品種育成方針」では基腐病抵抗性のカンショの育成も重点の一つにしているが、今後の研究で「みちしずく」の特性を青果用の基腐病抵抗性品種に活用していくことも期待されている。
第6位は「トマトの害虫コナジラミ類を振動で防除する技術」(電気通信大)、7位は「調査板の画像からイネウンカ類を自動認識するAIの開発」(農研機構)、8位は「ヤガ類(ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウなど)を超音波を活用して防除」(農研機構)、9位は「リンゴ黒星病の発生源となる落葉の収集機を開発」(農研機構 22年3月市販開始)、10位は「急傾斜45度対応のリモコン草刈機 中山間でも安全作業(農研機構 22年6月市販開始)。
重要な記事
最新の記事
-
朝令暮改と日米首脳会談【小松泰信・地方の眼力】2026年3月18日 -
出願時から「新品種」保護 育苗法案と種苗法改正案、自民党が了承2026年3月18日 -
有機農業 規模拡大意向は2割強 理由は「よりよい農産物提供」2026年3月18日 -
福岡市の(株)エムズが牛トレサ法違反 農水省が勧告2026年3月18日 -
幻の柑橘「湘南ゴールドフェア」直営飲食店舗で23日から開催 JA全農2026年3月18日 -
常温乾燥保存が可能な「匂いセンサー」培養細胞の作出に成功 農研機構2026年3月18日 -
北海道米1年分が当たる「北海道米ななつぼし 米(マイ)レージキャンペーン」開催 ホクレン2026年3月18日 -
まるごと食べても94Kcal&脂肪0「Doleキウイミックス&ヨーグルト」発売 協同乳業2026年3月18日 -
AI搭載自律稼働農業ロボット「シンロボ」開発 株式会社SYN-ROBOTICSを設立2026年3月18日 -
田んぼの生き物を網羅『新版 田んぼの生き物図鑑』刊行 山と溪谷社2026年3月18日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等輸入を一時停止 農水省2026年3月18日 -
家庭菜園ブランド「UETE」食育栽培キット「やさいとともだち」新発売 タキイ種苗2026年3月18日 -
農水省「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」岩手銀行、NTT東日本と取得 JDSC2026年3月18日 -
農業AIスタートアップ「inaho」資本業務提携を締結 東都興業2026年3月18日 -
大豆由来たんぱく質を手軽に「サクサクたんぱく」「ごはんでたんぱく」新発売 マイセンファインフード2026年3月18日 -
生産者向け「高温障害対策セミナー」28日に開催 農機具王2026年3月18日 -
生活クラブ「ニューズウィーク日本版 SDGsアワード2025」地域課題部門賞を受賞2026年3月18日 -
秋田市と雇用対策に関する連携協定を締結 タイミー2026年3月18日 -
献立づくりと買い物から解放「3日分の時短ごはんセット」リニューアル パルシステム2026年3月18日 -
業界初FIエンジン搭載 雑草刈機「ブルモアー HRS815A 」発売 オーレック2026年3月18日


































