食料安保強化へ構造転換に予算 総額2兆2683億円 2023年度農林水産予算2022年12月27日
12月23日に閣議決定した2023年度予算のうち農林水産関係予算は2兆2683億円となった。
22年度予算にくらべて99.6%だが、22年度補正予算の追加額8206億円と合わせ3兆889億円となる。
「食料安全保障の強化に向けた構造転換対策」では283億円を措置。畑作物の本作化対策として、定着までの一定期間の支援のほか、農地利用の団地化に向けた関係者間の調整や種子の確保、排水改良による水田の畑地化・汎用化、畑地かんがい施設整備、草地整備などを支援する。
23年度当初予算では畑地化促進助成(水田活用の直接支払交付金のうち22億円)、国産小麦・大豆供給力強化総合対策(1億円)、農業農村整備事業(150億円)などを活用する。22年度補正予算でこれに該当する事業として確保した1144億円と合わせて畑作物の本作化を進める。
そのほか米粉の利用拡大の支援策(8億円)では、製粉企業、食品製造者の施設設備、専用品種増産に必要な機械・設備の導入を支援する。加工業務用野菜の生産拡大対策(8億円)では、必要な栽培技術の導入、冷凍野菜の安定供給に向けた施設整備などを支援する。
「生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施」のうち、水田活用の直接支払交付金の総額は3050億円で前年度と同額とした。
ただし、このうち22億円は畑地化促進助成にあてる。畑地化支援は高収益作物で10a17.5万円、高収益作物以外の畑作物(麦、大豆、牧草など飼料作物、子実用トウモロコシ、そばなど)で同14.0万円。
それに加えて畑地化を定着させる支援策として、高収益作物には10a2万円(加工業務用野菜は同3万円)を5年間交付する。高収益作物以外の畑作物には10a2万円を5年間交付する。
そのほか産地づくり体制構築支援として農地利用の団地化など関係者の話し合い、調整などを行う地域協議会に300万円を上限に支援する。
そのほか子実用トウモロコシには10a1万円を交付する。
また、コメ新市場開拓等促進事業として110億円を確保する。輸出など新市場開拓米への10a4万円と加工用米への同3万円に加えて、パンと麺用の米粉専用品種には同9万円を交付する。パン用の専用品種には「ミズホチカラ」、「笑みたわわ」など、麺用品種には「亜細亜のかおり」、「ふくのこ」などがある。
そのほか、野菜、果樹、花き、茶・薬用作物などの「持続的生産基盤強化対策事業」に160億円、「畜産・酪農の環境負荷軽減型持続的生産支援事業」に63億円などを盛り込んでいる。
「2030年輸出5兆円目標の実現」に向けた予算は109億円で、マーケットインによる海外での販売力の強化(23億円)、輸出産地・事業者の育成・展開(7億円)、輸出向けHACCP対応施設整備(21億円)、知的財産の実効的な管理・保護と海外流出の防止(5億円)などのほか、「適正な価格形成」のため消費者理解醸成と適正取引推進に関する調査などで1億円を確保している。
「みどりの食料システム戦略の実現に向けた政策の推進」では、環境負荷低減と生産性を両立する新技術・品種開発などの実証事業に32億円、環境負荷低減と持続的発展に向けた地域ぐるみのモデル地区を創出する総合対策として7億円などを確保する。
そのほかスマート農業の総合推進対策(12億円)、めざす地域の将来像に向けた地域計画の策定推進(8億円)、新規就農者の育成・確保に向けた総合的な支援(192億円)なども盛り込まれている。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日