下水汚泥肥料 公定規格の検討を 官民検討会が論点整理2022年12月28日
政府が12月27日に決定した「食料安全保障強化政策大綱」には2030年までに堆肥・下水汚泥資源に使用量を倍増する目標を盛り込んだ。これに先立つ23日には「下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けた官民検討会」が論点整理を行った。
第3回検討会では関係者の役割と取り組みの方向性を取りまとめた。
自治体の下水道部局は、下水汚泥資源を活用した肥料利用の検討、生産体制の確保、適切な重金属モニタリング、成分分析による安全・安心な汚泥資源の供給などを行う。
自治体の農政部局は、JAや農業者と連携による地域や下水道の特性、肥料需要に応じた取り組みを推進する。JA・農業者も自治体と同様に取り組む。
肥料製造業者は安全性・品質が確保された下水汚泥資源を原料に農業者のニーズに応じた肥料の製造拡大に取り組む。
国は関係者の取り組みの支援やネットワーク化のほか、試験栽培や栽培指導などによる営農技術の確立と普及促進、肥料の公定規格のあり方の検討、リン回収の採算性向上や生産量の確保に向けた技術開発など担う。そのうえで消費者の理解促進も課題となる。
下水汚泥肥料については成分のばらつきが大きく現行では成分保証をしておらず、表示は重金属についてのみ。主成分が保証できれば肥料として新たな規格を設定できることも考えられるため、検討会では公定規格のあり方を今後検討することを論点整理に盛り込んだ。
また、下水汚泥に豊富に含まれるリンを対象に技術開発の動向もふまえ、施用形態、利用可能ポテンシャルなどについて農水省と国交省で検討を進める。
汚泥肥料を利用したほ場での効果検証の取り組み支援や、広く情報発信を行うシンポジウムなども開催する。
官民検討会は自治体の下水道部局と農政部局、農業団体と肥料業界、下水道業界などが構成メンバーで「一堂に会して意見を聞く場として画期的」として今後も検討会を続けることが確認された。
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