宮城の稲わらと鹿児島の堆肥を広域流通へ 鹿児島県経済連と全農宮城が連携、循環型農業目指す2023年1月24日
生産資材が高騰し、国産稲わらの利用拡大が課題となる中、JA鹿児島県経済連とJA全農みやぎは、堆肥ペレットと稲わらの広域流通に向けた実証実験を始めると発表した。鹿児島からは堆肥ペレット60トン、宮城からは稲わら約140トンがそれぞれ送られる予定で、2月にそれぞれ現地で出発式が行われる。
広域流通の第一弾として、鹿児島県からは来月6日に堆肥ペレット約20トン、宮城県からは来月9日に稲わらロールが10個程度発送される予定。今回は、ペレットはトレーラーで、稲わらはJRコンテナで運ばれ、今後、トラックやフェリーも使ってコスト面などを検証することにしている。
両団体によると、以前から広域流通をめぐる構想はあったものの流通面の課題などがあり実現しなかったが、ロシアのウクライナ侵攻などで生産資材が高騰する中、宮城県で昨年の稲わらが十分確保されたこともあり、昨年10月の鹿児島県の全国和牛能力共進会の場などで具体的に話が進んだという。
鹿児島県に送られる稲わらはJAいしのまきで生産されたもので、JAなどを通して鹿児島県内の牧場に供給される、一方、宮城県では、堆肥ペレットを肥料として同JAなどでホールクロップサイレージ(稲発行粗飼料)を生産し、再び鹿児島に送る計画で、両団体では実証実験を重ねながら広域的な循環型農業の実践を目指すことにしている。
JA鹿児島県経済連は「県内では中国からの稲わらも使っているが不安定な部分もあり、宮城との広域的な耕畜連携を積極的に進めながら飼料の安定確保に努めたい」と話している。
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