かんしょ 収穫量6%増加 鹿児島県「油断せず基本対策継続」2023年2月10日
農林水産省が2月7日に公表した2022(令和4)年産かんしょの収穫量は前年産に比べ6%増加した。鹿児島県、宮崎県でサツマイモ基腐病の被害が防除対策によって減ったことなどが要因となっている。鹿児島県は「油断せず、基本対策を続けていくことが大事」と話している。
全国の作付け面積は3万2300haで前年産並みとなった。
全国の10a当たり収量は2200㎏で前年産を6%上回った。これは、おおむね天候に恵まれ、いもの肥大が順調に進んだことや、鹿児島県や宮崎県でサツマイモ基腐病の被害が、防除対策や抵抗性品種への切り替えで減少したことによるという。
全国の収穫量は71万700tで前年産に比べ3万8800t、6%増加した。
全国一の生産量誇る鹿児島県は作付け面積は前年おり300ha減の1万haだったが、10а当たりの収量は2100㎏で前年比114%、収穫量は21万tで同110%と伸びた。
サツマイモ基腐病は、サツマイモの茎葉や塊根に枯死、腐敗を引き起こし、鹿児島県では平成30年に初めて確認され、被害防止が課題となった。
県はJAなど関係機関と一体となり、圃場にサツマイモ基腐病菌を「持ち込まない」、「増やさない」、「残さない」の3つを基本とした対策に取り組んできた。
とくに「持ち込まない」対策として、茎頂培養苗(バイオ苗)や蒸熱処理装置を利用した健全種いもの供給に力を入れ、令和7年までに1万ha分の健全苗と健全なほ場を確保する目標を掲げている。
そのほか、排水の徹底や異常株の早期抜き取り、発病前の予防的防除などにも力を入れてきた。
また、でん粉原料向けかんしょは基腐病に抵抗性のある品種「こないしん」への切り替えを進めてきた。
県によると1株でも葉の黄化などが見られた発生面積は令和3年産では74.5%だったが、生産者が対策に取り組むことによって令和4年産では35.0%と低下した。
現在は育苗期で県やJAは巡回指導をしている。「依然として被害を受けている農家もいる。油断せずに3つの基本対策に取り組んでいく」と県園芸農産課は話している。
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