鳥インフルの殺処分数が全国飼養羽数の約1割に 農相「殺処分の方針検討したい」2023年2月14日
鳥インフルエンザが猛威をふるい、今シーズンの殺処分数が全国の飼養羽数の約1割に達したことについて、野村哲郎農相は2月14日の閣議後会見で、「現在は1棟でも発生したら別の棟の鶏も含めてすべてを殺処分としているが、そこまでする必要があるか検討はしたい」と述べ、殺処分の方針について省内で検討する意向を示した。
今シーズンの鳥インフルエンザの発生は、25道県76件に上り、殺処分の数は1478万羽と、全国の飼養羽数の約1割に達しているという。特に鶏の飼養羽数が全国一の茨城県では100万羽単位の殺処分が4例に上るなど、地元の影響や負担も大きく、今年1月には北海道東北地方知事会から、鶏舎単位など管理区分ごとの殺処分ができるよう、科学的なリスクを検討して国の指針等に明記するよう求める要望が寄せられた。
こうした状況を踏まえて野村農相は会見で、「鶏舎が別々でも従業員が行き来して感染が広がることもあり、1頭でも発生したらすべてを殺処分としているが、余りに処分数が多くそこまで必要なのかという声もある。終息に向かいつつあるということなので、そのあたりも検討したい」と述べ、殺処分の方針について省内で検討する意向を示した。
ただし、「1つの選択肢として考えられるということであり、感染拡大しないという実証がなければ変更は難しいと思う」と述べ、慎重な判断が必要との見方も示した。
一方、鳥インフルエンザの拡大で卵の価格が高騰して一部商品の販売が休止されるなど影響が広がっていることについて、「家庭用の生食用の卵はまだ不足している状況にはないと判断しているが、加工用、特にマヨネーズ向けの卵が不足気味と聞いている。終息したところでは再生産に向けて取り組んでいるので、もう少しすると価格も下がるのではないかと神頼みのようなことを思っている」と述べ、価格が落ち着きに向かうことへの期待を示した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(123) -改正食料・農業・農村基本法(9)-2024年12月21日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (40) 【防除学習帖】第279回2024年12月21日
-
農薬の正しい使い方(13)【今さら聞けない営農情報】第279回2024年12月21日
-
【2024年を振り返る】揺れた国の基 食と農を憂う(2)あってはならぬ 米騒動 JA松本ハイランド組合長 田中均氏2024年12月20日
-
【2025年本紙新年号】石破総理インタビュー 元日に掲載 「どうする? この国の進路」2024年12月20日
-
24年産米 11月相対取引価格 60kg2万3961円 前年同月比+57%2024年12月20日
-
鳥インフルエンザ 鹿児島県で今シーズン国内15例目2024年12月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「稼ぐ力」の本当の意味 「もうける」は後の方2024年12月20日
-
(415)年齢差の認識【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年12月20日
-
11月の消費者物価指数 生鮮食品の高騰続く2024年12月20日
-
鳥インフル 英サフォーク州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月20日
-
カレーパン販売個数でギネス世界記録に挑戦 協同組合ネット北海道2024年12月20日
-
【農協時論】農協の責務―組合員の声拾う事業運営をぜひ 元JA富里市常務理事 仲野隆三氏2024年12月20日
-
農林中金がバローホールディングスとポジティブ・インパクト・ファイナンスの契約締結2024年12月20日
-
「全農みんなの子ども料理教室」目黒区で開催 JA全農2024年12月20日
-
国際協同組合年目前 生協コラボInstagramキャンペーン開始 パルシステム神奈川2024年12月20日
-
「防災・災害に関する全国都道府県別意識調査2024」こくみん共済 coop〈全労済〉2024年12月20日
-
もったいないから生まれた「本鶏だし」発売から7か月で販売数2万8000パック突破 エスビー食品2024年12月20日
-
800m離れた場所の温度がわかる 中継機能搭載「ワイヤレス温度計」発売 シンワ測定2024年12月20日
-
「キユーピーパスタソース総選挙」1位は「あえるパスタソース たらこ」2024年12月20日