鶴岡市など6市町 歴史的風致維持向上計画(2期)に認定 農水省など2023年3月30日
農林水産省、文部科学省と国土交通省は3月29日、「歴史まちづくり法」に基づき、鶴岡市、岐阜市、宇治市、堺市、津和野町、太宰府市の歴史的風致維持向上計画(第2期)を認定した。
歴史まちづくり法では、全国各地にある、城や神社仏閣とその周辺の町家や武家屋敷などから成る市街地や、祭礼行事、民俗芸能、昔ながらの生業など人々の伝統的な営みや活動が一体となって、地域の個性となっている歴史的な情緒や風情を醸し出すまちを「歴史的風致」として地域固有の資産であると捉え、地域の活性化や歴史・伝統文化の保存・継承を支援している。
今回の認定により、全国で歴史まちづくり計画に取り組む90都市のうち、第1期計画を完了し、第2期計画の取組を進める都市は36都市となる。
<各認の都市の歴史まちづくり 第2期計画の概要>
■山形県鶴岡市
鶴岡市には、国宝や重要文化財等を含む中世から近代における文化財が数多く存在する。城下町の骨格が残り、史跡旧致道館などの歴史的建造物が融合した街なみが現存する鶴ヶ岡城下町地区、国宝羽黒山五重塔や宿坊街の街なみが残る羽黒手向地区、史跡松ヶ岡開墾場と往時の開墾精神が受け継がれている羽黒松ヶ岡地区で、各地域固有の歴史的風致が形成されている。
第2期計画では、第1期計画の評価と検証を行うとともに、引き続き、公共施設等の修景整備や支援、協議会の活動助成等による歴史的建造物の保存と活用を図るほか、歴史的・文化的資源を活かした歴史と魅力あるまちづくりの推進、豊かな自然、歴史、文化、景観を背景とした固有の歴史的風致の維持向上を図り、市民の歴史まちづくりへの理解醸成と国内外に向けた魅力を発信する。
■岐阜県岐阜市
岐阜市には、日本の歴史上の転換期に活躍した、斎藤道三や織田信長により築かれた城下町の町割りを始め、江戸後期から戦前に建てられた町家や神社仏閣が数多く残る。また、長良川や金華山に代表される美しい自然環境は多くの人の心を惹きつけている。豊かな環境のもと、鵜匠と鵜が一体となって繰り広げられる「ぎふ長良川の鵜飼」、華麗、勇壮、賑やかな各地の祭りや渡し舟、更には伝統の技術を用いた岐阜提灯、岐阜和傘の生産など、地域固有の歴史及び伝統を反映した歴史的風致が形成されている。
第2期計画では、伝統的な活動の担い手不足などの課題に取り組むほか、第1期計画で進めた整備についても、市民の誇りにつながる本物志向の観光まちづくりに取り組む。
■京都府宇治市
宇治市は、宇治川河畔に平安の昔から平等院や宇治上神社をはじめとした社寺と山紫水明の自然美、また茶どころとして独特の発展を遂げてきたまちなみと茶園風景が広がる。そこに住まう人々が守り伝えてきた祭礼をはじめとした営みにより、宇治ならではの風情を感じることのできる歴史的風致が形成されている。
第2期計画では、第1期計画での取組を引き続き実施するとともに、お茶と宇治のまち歴史公園を活用した情報発信とソフト事業を展開して宇治の魅力を発信。未指定文化財については積極的な文化財指定等によりその保存を図る。また、茶業をはじめとした伝統的な産業や行事の担い手を育成していく環境づくりを行い、宇治の歴史的風致を未来へとつなげる。
■大阪府堺市
堺市は、古代から始まる長い歴史のなかで、各時代に先進し様々な歴史・文化資源や茶の湯などの新しい文化を生み出し、今に受け継いでいる。また、伝統産業や祭礼など堺の歴史・文化を支えてきた地域の人々の活動は、同市の歴史・文化の重層的な発展を背景に歴史的建造物と周辺市街地が一体となり、堺の特徴ある歴史的風致を形成してきた。
第2期計画では、第1期計画の取組により高まった歴史への関心を、堺固有の歴史的・文化的資源を訪れ、体感するような行動につなげるため、実際にそれらを見て、理解を深めるような情報発信や回遊のための取組が求められる。同計画の実施により、市内外の人々が様々な時代を背景とした堺市の歴史的風致を知り体感するたびに、新たな歴史への興味が得られるよう、歴史的風致のより一層の向上をめざす。
■島根県津和野町
津和野町は、近世において津和野藩が置かれ、わずか4万3000石の小藩ながら、先人は開明の気質を持って、産業や文化、人材を育ててきた。こうした歴史的風土の中、鷲原八幡宮の流鏑馬や津和野弥栄神社の鷺舞、津和野踊、神楽などの伝統行事や民俗芸能が、城下町の風情を残す街並みや歴史的建造物などを舞台に継承され、固有の歴史的風致が形成されている。
第2期計画では、歴史的風致を構成する建造物の保存・活用をはじめ、点在する歴史資産等を町民や来訪者が快適に周遊するための環境整備、地域の祭礼行事・伝統文化等の継承、町民の歴史文化に対する理解増進に資する事業に重点的に取り組み、歴史的風致の維持向上に関する課題の解消を目指す。
■福岡県太宰府市
太宰府市は、重要文化財や史跡等を含む古代から近代の文化財が重層的に存在。太宰府天満宮を中心とした門前町、太宰府跡や水城跡などの古代遺跡が並ぶ四王寺山山麓では、固有の風情を感じる歴史的風致が形成されている。
第2期計画では、引き続き、歴史的建造物の保存修理やその他の建造物の修景のほか「さいふまいり」の各所地や散策路、文化遺産周辺の環境整備を推進。各エリアの個性や魅力を向上させ、歴史的風致の維持と向上を図り、太宰府天満宮参道一極集中となっている来訪者の回遊性をさらに高め、滞在時間の延長に繋げる。
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