アジア向けにみどり戦略対応技術を発信 技術カタログを公表 農水省2023年4月5日
農林水産省はアジアモンスーン地域で持続可能な農業技術の共有をめざし、技術カタログを公表した。アジア各地での実践を通じて知見を蓄積、農業の環境負荷低減に関するルールメイキングに反映させることも視野に入れる。
カタログは、最近10年間の国内・国際共同研究で得た成果のなかから、温室効果ガス削減や化学肥料・化学農薬低減などに貢献する技術として23件をとりまとめた。
メタンの発生量を平均30%削減できる水田の「中干し延長」や、間断かんがい(AWD)技術による温室効果ガス削減、窒素肥料を低減しても収量を維持できる生物的硝化抑制(BNI)強化コムギなどを掲載し、英語版を国際農研のみどりの食料システム国際情報センターのウェブサイトで発信している。
EUでは「Farm to Falk」戦略で化学肥料や化学農薬の使用低減を目標に掲げているが、日本は気候の異なるアジアモンスーン地域から化学農薬使用目標などルールづくりに関わることをめざす。みどり戦略を策定したのもその一環。
農水省はカタログの発信によってアジアモンスーン地域での環境負荷低減につながる技術を広めたたいとしており、「各国が活用してどんな効果があったのかなどアジアで知見が蓄積されていけばるルールメイキングに関わっていける」(農林水産技術会議事務局)としている。
今後カタログには林業や水産業分野の成果や、新たに創出された成果などを追加していく予定だ。
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