G7農相会合で初の「宮崎アクション」発出へ 農水省が方針 「生産拡大と持続可能性両立」共同声明に2023年4月5日
気候変動やウクライナ危機で世界的な食料不足が懸念される中、農水省は今月宮崎県で開かれるG7農相会合で、「農業の生産拡大と持続可能性の両立」を共同声明に盛り込む方向で議論を進める方針を決めた。食料余剰の解決策を議論してきたWTOルール下では「生産拡大」の議論が抑えられてきたが、食料危機が現実化する中、新たなメッセージを打ち出し、今後の行動を示す「宮崎アクション(仮称)」もまとめたいとしている。
G7農相会合は今月22日と23日の2日間、宮崎県で開かれる。
農水省は本会合に向けて事務レベルの調整を進めているが、議論の方向性として、▽農業の生産拡大と持続可能性の両立▽自国の生産資源を持続可能な形で活用するべき▽政策目的達成のためイノベーションが生産現場で普及・活用される必要、の3つを柱に進める方針を決めた。
同省はこの背景として、気候変動やウクライナ紛争などで食料の安定供給が懸念される中、食料安保も主要テーマとなるG7会合とは別に、特に農相会合では農業の持続可能性の確保を中心に議論したいと説明している。
このうち「生産拡大と持続可能性の両立」については、世界的に食料価格が高騰し、食料余剰解決のために生産拡大を抑制してきたWTOルール下とは状況が変わってきたとし、「持続可能性を維持する形で行われる生産性の向上についてはプラスのメッセージを出したい」(水野政義輸出・国際局長)としている。
また、国内資源の活用を含めて国内生産を重視する基本法の議論が進む中、G7農相会合でも国内生産の重要性を主張し、同じ方向を向いたメッセージを打ち出したいとしている。会合では、日本と立場が異なる農産物輸出国からどう理解を得るかがポイントになるとみられる。
さらに持続可能な農業の実現に向けては、EUが2030年に農薬使用の50%削減を打ち出す一方で、米国は気候変動対策に向けたプログラムを進めるなど、各国の手法が異なることを踏まえ、各国が進めるあらゆるイノベーションを認め合う形でまとめることを目指す。
同省では農相会合を通じて議論の成果をG7共同声明にまとめるほか、今回初めて、農業の持続可能性の確保に向けた行動を10項目程度示す「宮崎アクション(仮称)」もまとめ、発出したいとしている。
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日