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有機農業の未来に向け 金子美登氏・大和田世志人氏を偲んで2023年4月19日

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昨年、大和田世志人さん、金子美登さんが急逝、去る3月30日、東京・永田町の憲政記念館で「有機農業の未来に向けて語る-金子美登氏・大和田世志人氏を偲んで」という集会が開かれた。有機農業の生産者や消費者、国会議員など約150人が参加、二人の人柄や功績などを語り合った。

故金子美登氏、大和田世志人氏を偲び150人が集った故金子美登氏、大和田世志人氏を偲び150人が集った

金子さんは昨年9月、水田の見回りをしていて心筋梗塞で、大和田さんはそれよりひと月前の8月に大動脈剥離で亡くなった。この催しは、全国有機農業推進協議会(全有協、下山久信理事長)が、わが国の有機農業運動をけん引してきた二人を偲び、昨年に成立した「みどりの食料システム戦略」を受けて有機農業の未来を語ろうと開かれた。

主催した全有協は、2006年に、有機農業推進法の実現を目指して有機農業の実践や普及に関わってきた団体が集まって、ネットワーク組織として設立された。二人は、全有協の初代、二代目の理事長を務め、国に「みどりの食料システム戦略策定に向けた提言」などを提出し、有機農業推進法の制定や「みどりの食料システム戦略」などでも積極的に関わってきた。

集会は、全有協事務局長の小原壮太郎さんとジャーナリストの島村菜津さんが司会を務めた。最初に、呼びかけ人の一人である篠原孝衆議院議員から「金子さんの人生は、日本の有機農業の歴史そのものだ。国会にもファンがいっぱいいた。さまざまな苦労があったなか、埼玉で地道に取り組んでこられ、ようやく国も意欲的な目標を立てるまでになった」と話した。続いて川田龍平、菅直人、山田俊男、紙智子、舟山康江、須藤元気、福島伸亨氏らの各国会議員が、超党派で二人の業績や交流を語った。

呼びかけ人代表の枝元真徹前農水事務次官は「大和田さんの故郷、鹿児島県の先輩後輩の仲。彼からは人としての生き方を学んだ。有機農業が人類の本来の営みであるという信念を貫き、仲間のために昼夜を問わず働いていた。また、有機農業生産者の生計のことをいつも気にかけておられた。今日は、持続可能性のある日本社会を作ろうとされていたお二人のご遺志を受け継ぎ、有機農業の未来をあいさつ挨拶した。

また全有協理事長の下山さんは「有機農業推進法制定の時は二人と共に農水大臣室に通った。法律が出来てから16年経つが、思ったほど拡大していない。しかし、みどり戦略が国の政策となり、これからの10年が日本農業再生のチャンスとなる」と発言した。

その後、司会から指名された魚住道郎さん、菅野正寿さん、谷口吉光さん、吉野隆子さんや農水省関係者らが思いを募らせながら二人の思い出を語った。

最後は遺族からのあいさつ。元テレビ局のアナウンサーだった金子友子さんは「出会うまで有機農業のことは知らなかったが、45年前に菅直人さんが仲を取り持ってくれ、結婚した。1戸の農家が5軒の消費者を養えば日本の社会は自給できると言っていた。有機農業運動の人たちは個性豊かで楽しかった」と、二人三脚で歩んできた道を振り返り、語ってくれた。

大和田清香さん(世志人さんの二女)は明江さんが体調不良で参加できなかったので、「有機農産物が特別なものではなく、みんなが普通に食べられるものになるように」というメッセージを紹介した。さらに、「生産者が安定して生活できる方法として始めた『地球畑』等で販路拡大に取り組んできたことが、商業主義だと批判されたこともあった」と、娘から見た大和田さんの苦労話も披露した。

有機農業の拡大のためには、こうした先駆者たちのノウハウを踏まえた支援の拡充が不可欠だ。「みどりの戦略」が二人の思い描いたように進んでいくかどうか。担い手の育成、技術の継承、販路の確保など課題は多い。

筆者はこの会に参加し、多くの人の話を聞く中で、中国の文学者魯迅の「もともと地上に道はない。人の歩く所が道になるのだ」という言葉が頭に浮かんだ。

(客員編集委員 集会呼びかけ人 先﨑千尋)

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