三重県御浜町で新規就農促進プロジェクト みかん農家になる移住者増加2023年5月12日
三重県御浜町は、主産業の一つであるみかん産地を持続していくため、原動力となる農業後継者育成強化に取り組んでいる。2022年3月に町のタウンプロモーションサイト「青を編む」を立ち上げ、YouTubeやTwitterなどSNSを絡めた情報発信に力を入れて1年が経ち、問い合わせ件数が27件に急増。4月までに新規で9人が研修を始め、この夏からさらに2人が研修をスタートするなど反響を呼んでいる。
「みかん、やったらええやん」を合言葉に、御浜町でのみかん就農が認知されてきたことから希望者が増加。取り組み以前と比較して研修開始人数は4.5倍に増え、現在も就農相談・農業体験などの問い合わせが続いている。また、Iターン移住による研修開始は数年ぶりで、町の人口減少課題につながる取り組みとなっている。
研修を始めた9人の平均年齢は48才 (年齢幅は33〜58才)で、奈良県、兵庫県、京都府、愛知県、三重県津市からのIターン移住で6人、地元からが3人。4月から個人農家による研修を始めた愛知県名古屋市からIターンの夫婦は、定年後どんな仕事をしてどんな暮らしていくのか、どんな "手に職"を身につけるべきかなど考える中、以前訪れた御浜町のHPから「農業という道がある」ことを知った。
その後、YouTubeを見るなどするうち、「ここに住んでみかんをやってみたい」と思うようになり、2022年夏の就農フェアへ参加し、同町農林水産課の担当者と面談。2回の農業体験に参加し、受け入れ先の農家に「言われた通りにちゃんとやれば、稼げるよ!」と言われ、「儲からないイメージの農業もちゃんとやれば稼げるんだ」とアドバイスを受け、目からウロコが落ちたという。
また、兵庫県からIターンした女性は、ホームページやYouTubeで知った御浜町に実際訪れ、「人の良さ」に惹かれたという。また、「ぜひ来てほしい!」とウェルカムな町の姿勢と、「良い事だけでなく大変な事も濁さずはっきりと伝えてくれた役場の方の対応は、他と比較した上で決め手になった」と話している。
御浜町では、一人で管理できる無理のないサイズの農地を持つことや、異なる品種のみかんを作り労力分散をすることで、一人でもできるみかん農家モデルを提案している。収穫が集中する繁忙期はパートを雇うケースもあるが、「1人でもやってみたい」「家族の中で自分だけが農業をしたい」など時代ニーズに合わせて対応。多様なみかん農家の形があることから、受け入れ側である町、農協、県が一人ひとりに合わせ、新規就農をサポートしている。
一人からでもできる、きちんと稼ぐための新規就農を支えるサポート・就農支援制度
また、農業体験や研修、就農に必要な資金調達の支援策など、就農を後押しする様々な取り組みを実施。御浜町では、国による一般的な就農支援に加え、町独自の手厚い支援策を就農前から就農後まで受けられる。
御浜町農林水産課の担当者は「このゴールデンウィークには、関東・関西・中京圏から3組の方が農業体験・移住相談に来町してくれました。就農に関する希望内容・移住時期などはそれぞれ異なりますが、お一人おひとりの状況に合わせた対応をさせて頂いています。YouTubeやHPで御浜町での就農がどのようなものかできる限り紹介させて頂いていますが、些細なことでも、お気軽に問合せいただければ」と話している。
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