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基本法見直しへ「適正な価格」「担い手確保」の早急対応要請 自民党会議でJA全中などヒアリング2023年5月12日

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自民党の総合農林政策調査会・食料安全保障に関する検討委員会が5月12日開かれ、食料・農業・農村基本法の見直しに向けて、JA全中など3団体からヒアリングを行った。各団体からは食料安全保障の強化をはじめ農畜産物の適正な価格形成、担い手確保などへの早急な対応ととともに基本法の中で明確に位置づけることを強く求める意見が相次いだ。

自民党食料安保委員会.jpg自民党の総合農林政策調査会・食料安全保障検討委員会の会合

会議では、冒頭、食料安全保障検討委員会の森山裕委員長が「食料安全保障の確保と食料・農業・農村の振興に向けて、農業関係団体、地方自治体、食料システムの幅広い関係者の連携強化は極めて重要であり、基本法改正に向けて重要なテーマであると認識している」と述べ、党としての提言取りまとめの作業を進めていることを報告した。

JA全中「適正価格への要望が最も強い 早急対応を」

ヒアリングは、JA全中と全国農業会議所、全国町村会の3団体の代表から行われた。
このうちJA全中の中家徹会長は、JAグループの要望として、▽食料安全保障の強化をはじめ▽再生産に配慮した適正な価格形成の実現と国民理解の醸成・行動変容▽農業の持続的な発展に関する施策など5つの柱について説明した。
この中で中家会長は「特に地方からは再生産に配慮した適正な価格形成の実現を求める要望が強い。新たな法整備を含めて早急な対応をお願いしたい」と強調、適正な価格形成の仕組みづくりを急ぐよう求めた。また、担い手不足の中、大規模経営だけでは対応できないとして、中小・家族経営など多様な経営体を基本法で位置づけてほしいと要望した。

全国農業会議所"「日本型直接支払制度」実現を"

全国農業会議所の國井正幸会長は、食料安全保障の強化に向けて、農業生産の基盤となる農地が限られた資源であり、担い手である耕作者の位置づけや適正利用の確立が重要だとしてうえで、認定農業者などの担い手経営と、兼業農家などそれ以外の経営など、地域に応じた多様な担い手の共存が必要だと強調した。また、農業の果たす多面的機能などを踏まえ、農業と農村が持続的に振興、発展できる「日本型直接支払制度」の検討、実現を図ってほしいと要望した。

全国町村会 "農業政策と農村政策を車の両輪に"

また、兵庫県佐用町長で全国町村会経済農林委員会副委員長の庵逧典章氏は、「農業政策と農村政策を切り離さず車の両輪として一体的に検討してほしい」と述べ、食料安保に関しては、国民の国内農業への関心を高めるなど、生産者と消費者を結びつけることも必要だと指摘した。さらに、農業就業人口が減り続ける中、多様な担い手の確保の必要性を基本法に位置付けることや、農業・農村政策をに関して自治体の裁量を大幅に拡大した「農村価値創生交付金(仮称)」の創設を検討することも要望した。

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